2011年11月28日月曜日

比較すると判り易い


1本のワインを味わって、そのワインの酒質がどのポジションにあるか
位置づけるのはなかなかタフな事。ワインのテイスティング経験が豊富
で、ワインの様々なタイプを客観的に、そして分析的に位置付け出来て
いなければダメだ。
そのスキルをもとに、単独でワインをテイスティングすれば、品種、産地、
収穫年、小売価格、ワインのタイプを推測出来る様になる。それには
自分の感覚で品種の特性、同じ品種からのワインの多様性などを把握
しておく必要がある。
ワイン・テイスティングと言うと、とにかくテイスティングすれば良いと思い
がちだが、初めはテーマ性を持たせた複数のワインを一度に抜栓し、
同時に比較しながらテイスティングすると良い。比較する事で、品種の
違い、収穫年の違い、産地の違い、同じ品種の多様性をチェックし、五感
にインプットするのだ。
先日、同じ造り手、同じ収穫年、同じ地方の原産地呼称違いのワインを
比較した。原産地が異なるだけで、その香味の違いに予想以上の開き
があった。Pinot Noir/ピノ・ノワから造られているのだが、片方をピノ・ノワ
にすると、もう片方は別の品種と思ってしまう人もいるのでは?と言う程。
ピノ・ノワの赤ワインはヴァリエーションが多い方だと感じている。Gamay/
ガメイ(Beaujolais/ボージョレを造る品種)に思える可愛らしい酒質から
Nebbiolo/ネッビオーロ(Barolo/バローロ、Barbaresco/バルバレスコを
造る品種)に思えるドライな口当たりと重厚な渋味ある酒質まで。
ブラインドをして時々、間違えるのがSantenay/サントネイをネッビオーロ
と思ってしまう事。以前、挑戦していたコンクールのブラインドでも、この
失敗をしてしまった事があった。
だから、テーマを決めて比較し、多様性を自分の身体に染み込ませる
必要があると感じ、機会があるごとに実践している。これは消費者の
皆様にも大切な事で、ワインを購入したい時に言葉で説明をする際に
とても役に立つ。
自分では渋いと思っていたワインが実は渋くなく、渋いワインがほしい
とのリクエストで勧めたワインを飲んで、渋くて飲めなかったなんて言う
事は多々ある。甘いと思っていたのが、実は濃厚な酒質であったが為
に甘い香りを放っていただけで、味わいは甘くなかった、こんな事も。
当店にワインを買いにいらっしゃって、ワインが感覚的に捉えられて
いないなと思える時、お客様のリクエストがあれば、この比較する事
をお勧めしている。もし、ワインの多様性を感覚的に捉えたいと願う
なら、リクエストして下さい。お客様にあったテーマで比較して楽しめる
ワインをお選び致します。
これからのXmasや年末年始のパーティーで仲間と家族と大切な人と
一緒に、多様性を比較しながらワインを楽しんでみませんか?