2011年11月3日木曜日

9月の台風


9月に2度上陸し、大きな被害をもたらした台風。私達の大切な商品を生み
出すブドウにも重大な害を及ぼしました。
先日、山梨のワイナリーから届いた情報誌によると、台風の影響で発達
した雨雲が降らせた雨の多さが、畑にカビ病をまん延させ、健康に育って
いた房にカビを発生させ、その為、健全な粒を守る為、房落とし、摘果を
慎重に行ったとの事。大幅な収穫量の低下により、予定していた数量の
ワインが出来なくなったそうです。
ワインは自然の恵みのブドウ、これのみがワインの運命を決めます。人間
のスキルがいくら優れていても、良質のブドウがなければ素晴らしい品質
のワインは決して生まれないのです。自然の恵みを受けている時も、自然
の猛威を受けている時も、人間はただただ見守ってあげる。出来る事など
ないに等しい。自然の前では人間は無力の従者なのです。
それがヴィンテージ。素晴らしいワインが生まれた年も、そうでない年も、
それぞれに見つけ出せる良さがある。その年々のヴァリエーションを外観、
香り、味わいに楽しめる。これこそワインの醍醐味。
あるワインメーカーが言いました。天候が不順な事、それが自然だ、と。
真にその通りです。納得させられたフレーズです。
画像のブドウは2度の台風の襲来を乗り越え、生き延びた甲州です。10月
26日の収穫直前に撮ったものです。自然の猛威をはねのけた強靭さを
備えた、この甲州からどんな香味の甲州ワインが出来上がるのでしょうか。
テイスティングする瞬間が楽しみです。