2011年10月31日月曜日
善し悪し
このワイン、コルキー(コルク臭)だ。こんなフレーズ、聞いた事がありませんか?
コルクは天然の樫から作られています。人間の皮膚に目に見えない凹凸がある
様に、樹の内部にも無数の隙間があります。この隙間に住んでいる菌を物理的
に全て除く事が出来ない為、その菌の働きで予期せず、ワインに異臭が付いて
しまう事があります。その状態のワインをコルキーだ、あるいはコルク臭だと言う
のです。それは濡れた雑巾や湿った押入れ、側溝から漂う臭いの様です。
折角、造ったワインをコルクが原因で台無しにしてしまうのは嫌だ。と言う事から
天然コルクの代わりにスクリューキャップ、プラスチック・コルク、ガラス・コルク等
が使われる様になりました。しかしながら、それぞれに善し悪しがあり、また、
消費者のイメージの問題もあり、どれがベストな栓なのか、判断が分かれます。
個人的にはスクリュー・キャップは開閉がし易く、瓶に詰めた時のワインの状態
を保つ事が出来るのでベストと思っているが、一部のソムリエや消費者には非常
に評判が悪い様です。
プラスチック・コルクは天然コルクと同じ作業で抜栓するので、その一部の人達
の評判は悪くはないが、実は大きな問題がある。コルク栓だからと瓶を寝かせ、
ワインがコルクに接する状態で保管していると、ワインにビニール様の香りが
付いてしまうのだ。これがワインのフルーティーさを削ぎ、優美さの欠けた香味
を作り出してしまう。だから、プラスチック・コルクのワインは立てて保管する必要
がある。
では、ガラス・コルクはどうか。コストが高く、なかなか普及しないのが現状。だが
プラスチック・コルクよりは絶対に優れている。特許の関連で製造メーカーが1社
しかない所が問題か。
そんな中、プラスチック・コルクの欠点を解消出来そうなコルクが登場した。画像
のコルクがそれ。ワインに接する方をビニール様の香りが付かない素材で覆い
隠している感じ。見た目にも美しく、今後、普及して行くだろう。このコルク、当店
が取り扱った3種類のワインに使われていた。Ardeaseal/アルデアシールと言う。
HPを見ると、現市場でベストのコルクとうたっている。このコルクからワインへの
異臭付着を回避出来るか否かはこれからチェックして行きたい。