画像のワインは赤ワイン。南アフリカ産でMourvedre/ムールヴェドル
と言う黒ブドウから造られている。この品種、かつては極めて重要な
位置付けにあったワイン用のメジャー品種。今は、極めて限られた
産地でのみ、かつての位置付けと同様の役割を果たしている。
この品種はいくつかの別称があり、スペインのヴァレンシア近郊では
Monastrell/モナストレル、オーストラリアなどではMataro/マタロとして
知られている。
現在のメジャー品種から造られるワインは、その原料品種により、
出来上がる酒質の傾向がある。だから、ブラインドテイスティングで
品種を特定出来たりする。が、メジャーでない品種から造られた
ワインは、その品種個性が明確に定義出来ない為、テイスティング
しても、その品種にたどり着く事は極めて困難。
ではムールヴェドルから造られた赤ワインの特徴は、と言えば、画像
のワインの場合、香りはスミレなどの紫色の花の華やかさ、インク様
の芳香、少しばかりの動物、血合い、皮革のヒントがあり、味わいは
極めて瑞々しく、まろやかで渋味がしなやかに広がる。余韻は果実
のピュアさとシルキーなタンニンの融合した優美な甘味旨味が広がり
残る。そこにブラックペッパーのニュアンスが入れば、メジャー品種
ならSyrah/シラーにそっくりだ。
この美しさは料理がパーフェクトに合わないと、酒質のバランスが
崩れてしまうほど。出来れば、食後にバゲットや味の濃くないチーズ
でもかじりつつ、リラックスして楽しむのが良さそう。
Spice Route 2008 Swartland Mourvedre
スパイス・ルート2008スワートランド、ムールヴェドル<南ア>
¥2,100
まろやかなミディアムボディー
静かで、冷涼、今の時期の秋の夜長に是非、楽しんで頂きたい1本
です。