2011年9月29日木曜日
この作業が大事
最近、何回か取り上げたドイツの小麦が原料のビール、Hefeweiss/ヘフェ
ヴァイス、Weizen/ヴァイツェンなど色々な呼び方がある。
そのビール、一般的なビールと異なり、原液を瓶に詰め、そこに発酵を
促す為の酵母を加え、瓶内で炭酸ガスの捕捉とアルコールの捕捉を
行う。酵母は発酵が終わるとパウダー状のオリとなって瓶底に沈む。
このオリとなって瓶底に沈んでいる所、ここに芳香成分と旨味が凝縮
していて、この部分を切り離してしまうと本来の香味を楽しめない。
そこでこのヴァイツェンをグラスに注ぐ際にはちょっとした気遣いが必要。
通常、ヴァイツェンは500ml瓶に入っているので、それが全て注げる容量
のグラスが必要。泡立ちを抑える為、予めグラスを冷しておくとベスト。
グラスを斜めにし、側面をはわせる様に泡立てず、静かに注ぎ込む。
瓶内のビールが瓶底から1cm程になったと感じたら、グラスに注ぐのを
止める。この時点ではグラスの中のビールはあまり白濁していない。
ここからが大事。
両手で瓶を挟み、きりで穴を開ける要領で、瓶を回転してあげる。上の
画像の要領。しばらく回転してあげると、瓶内に泡が立ち、瓶底に沈んで
いた酵母、オリがビールに混ざる。ここは完全に白濁している。
その白濁したビールをグラスに注ぎ足してあげると、グラスの中のビール
は上部から下部に向けて雪が降り、大地が雪化粧をするかの如く、白く
綺麗に濁りをたたえる。これで準備OK。
後はクローバー様のフローラルさやバナナ様のフルーティーさ、絹の様な
なめらかな舌触り、良質のバゲットを食べているかの様な小麦の旨味を
感じる味わいを楽しむだけ。ビールと言っても、日本で主流のアメリカン・
タイプのスッキリ系のものとは雲泥の差がある。
ビールは麦芽、ホップから造るべし。ドイツビール純粋令。本物には訳が
ある。
瓶底に沈んだ酵母、オリをグラスに注ぎ込んで少し時間が経った
状態。画像があまり良くないが、この様に白濁してから楽しもう。
そして、ビールは泡立てないのが世界のスタンダードです。