2011年9月22日木曜日

ポイントは食材の脂

3種類の寿司にワインを合わせてみました。寿司はつぶ貝
ヒラメのエンガワ、秋刀魚の3種類。
ワインと料理を合わせるには、色と色を合わせてあげるの
が一番簡単な方法。これら3種類ならば、つぶ貝とエンガワ
は白っぽいので白ワインが良さそう。秋刀魚はやや赤みを
帯びた色合いなので、ロゼワインや赤ワインが良さそうと
予想出来る。


貝類全体に言える事だが、白身であっても、味わいに軽い
苦味旨味がある。これがワインに生臭みを添えてしまう原因
ではないか?それを防ぐにはワイン自体に苦味あるミネラル
の豊富さ酒質である事が必要。Chardonnay/シャルドネから
木樽熟成しないで造った白、Riesling/リースリングに似ている
が、フルーツ感のより少ないGruner Veltliner/グリュナー・
ヴェルトリナーやSilvaner/ジルヴァーナーの白、ロワールの
Sauvignon Blanc/ソーヴィニョン・ブランの白でも良い。
そして最も良い選択肢はフレッシュで、爽快なミネラリーさを
楽しめる辛口白のスパークリングワイン。スペインのCava/
カヴァは最適。
カヴァの原料となっているMacabeo/マカベオ由来の軽い苦味
あるミネラリーさが貝の味わいと相乗し、口中に心地良さを
残す。


では、貝と魚の違いはあるが、白身のエンガワはどんなワイン
と合わせれば良いのだろう?
白身だからワインは白。これはもっともな考え。だた、ここで応用
が必要になる。料理の見た目が白系色であっても、味わいに
脂肪分を感じる場合、大抵の白ワインでは素晴らしいマリアージュ
を奏でる事が難しい。そんな時は白ワインよりもロゼワインや赤
ワインの方が良い場合がある。
エンガワの場合、もし、塩で食べるのなら、骨太なミネラル感が
あり、コクを感じる辛口白ワインが合う。フルーツ感よりも品種
固有のペトロール香が心地良いRiesling/リースリングの白。
Alsace/アルザス産か、オーストラリアのClare Valley/クレア・
ヴァレーなどがベスト。
画像でもおわかりの様に上にあさつきが乗っているので、この
ハーブ系の香りとより良く合わせるのなら、フランス、Grave/
グラーヴのSauvignon Blanc/ソーヴィニョン・ブラン主体の白
がとても良く合うだろう。
もし、醤油を付けて食べるのなら赤だとエンガワの味わいを
殺いでしまうので、ロゼワインに留めておいた方がベター。
ハーブ香の心地良いProvence/プロヴァンスのロゼがベストの
選択。


秋刀魚の場合はどうか?ここ日本での定説ならば、魚には
白ワインですね?どうしてこんな嘘八百に近い定説が浸透
してしまったのか。不思議だ。
ワインと料理の相性の良い組み合わせは食材で決まるのでは
ないと思った方が良い。何度も言いますが、色と色、そして、
応用は脂肪分に着目です。
秋刀魚は白身と言うより、赤身系、しかも脂肪分が多く、その
味わいはトロリとした触感があり、濃い旨味がある。こんな時
には旨味に合わせる為、ロゼワインや赤ワインを選択したい。
秋刀魚のにぎりを塩で食べるのならロゼワインが良いし、醤油
で食べるのなら赤ワインが良い。但し、フルーティー過ぎるもの
や赤ワインならフルボディーは避けた方が無難。
ハマチ、ブリ、マグロのトロ、下り鰹にもこの考え方でOK。また
鰻の蒲焼にはCabernet Sauvignon/カベルネ・ソーヴィニョンや
Cabernet Franc/カベルネ・フランのミディアム~フルボディーの
赤ワインがピッタリ。山椒をかければ良い一層合います。
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ワインのある風景、ワインのある食卓
当店がお手伝い致します。