2011年9月18日日曜日

調理用ではありません。飲用です。


Port Wine(Porto)/ポートワイン(ポルト)、Madeira Wine/マデイラワイン
と言うと、ここ日本では調理用のワインと思っている人が多い。特に
マデイラワインに関しては、かなりの割合で飲むものではないと思って
いる様だ。
先日、ポルトガルワインの輸入販売に注力している輸入元の試飲会
に参加した際に、同時開催だったマデイラワインのセミナーにも参加
した。1時間程の試飲を中心とした内容だったが、2つのセッションから
なっており、6種類のマデイラワインの比較、続いて3種類のマデイラ
ワインの比較をした。
この地球上に存在するワインで最も長期熟成が可能なのはポルトと
マデイラワイン。ポルトガルに行けば、大型スーパーのワイン売場に
普通に30年前程のヴィンテージものが陳列してある。そして、ワイン
専門店に行けば100年前のものすら簡単に見つけることが出来る。
しかも日本円換算で10,000円程で。
ポルトとマデイラワインはワインの一種だが、私達が日頃から飲んで
いるワインとは造り方がかなり違う。その違いが長期熟成を可能に
しているとも言える。
ブドウが原料でその果汁を発酵させている所は同じ。果汁に含まれて
いる糖分が酵母の働きでアルコール発酵を始め、ビールと同じくらい
にアルコール度数になった時、ワインを蒸留して造ったブランデーを
加え、発酵を止める。この時のアルコール度数は20度前後、これを
木樽で長短の差はあるが熟成させて、円熟みと複雑さを備えれば
出来上がり。アルコール度数が高い事と、熟成期間に空気に触れ
ながら熟成する為、自然と酸化耐性があるワインになる。だから、
200年前のものだって現存し、それも十分に香味を楽しめる。
先日のセミナーでも1977年産、1927年産、1912年産をテイスティング
した。1977年はやや赤みがかった茶色の外観。くるみやコーヒーの
焼き菓子の香り。茸ソテーを思わせる複雑な口中香とスパイシー
でホットな味わいをしていた。1927年は濃いコハク色の外観。芳醇
なカラメル、メープルシロップの焼き菓子の香り。酸味に支えられた
ドライで香ばしさある複雑な味わいをしていた。1912年は明るく、
赤色のトーンある外観。ジビエ、アーモンドの香り。100年も経って
いるのにフルーツ感すら明確に感じる優美さがあった。この様に
熟成感はあるものの、衰える事を知らないかの様に今だに発展
している酒質には驚かされるばかりだった。
誕生年や記念の年のワインをお探しなら、是非、マデイラワイン
やポルトも考慮に入れてほしいと思います。普通のワインが不良
の収穫年で見つからない時でもマデイラやポルトならば見つかる
事が多々あります。興味大の方はお問い合わせ下さい。古い
マデイラやポルトをお探しします。