ブドウ畑で活躍するトラクター。剪定後の枝を運んだり、後ろに鋤を設置し土壌を耕したりするのが今の時期。
そして、秋には収穫したブドウを後ろに設置した荷台
に乗せ、ワイナリーまで運ぶ。一年中活躍する優れ物。
この畑はまだ剪定前。だいたい今頃から陽射しが温かくなる前の冬場に剪定が行われる。春に芽吹くだろう芽の数をあらかじめ
枝切りをすることで制限し、潜在的な収穫量を冬場の内に決定
してしまう作業。これは1年のブドウ樹のサイクルのなかで最も
重要。なぜなら原料ブドウの持ち味がすべてワインに移行し、
原料ブドウの品質でワインの品質が決定するから。原料ブドウ
の品質をごまかして良質のワインは造れない。だから、冬期の
剪定をしっかり行い、良質なワインを造り上げる為の第一歩を
記す。この剪定作業は非常に厳しい。凍えてしまう様な気温の
中、一枝一枝丁寧に切り落として行く。1時間もすれば寒さで
身体の感覚が消え去ってしまうほど。冬将軍との戦い。そんな
過酷な作業の末に生まれる自然の恵み、農作物であるワイン。
無駄にすることなく、大切に味わってあげなくてはと思う。
