現地で飲むとFino/フィノやManzanilla/マンサニージャってやっぱり白ワイン
なんだなと再認識できるのに、日本に輸入されたフィノやマンサニージャを飲む
とそのほとんどがフォーティファイド・ワイン(ワインを蒸留し、造ったグレープ
・スピリッツ、ブランデーの事、を添加した酒精強化ワイン)にしか思えない残念
な状況があります。
勿論、フィノやマンサニージャは酒精強化したフォーティファイド・ワインの一種
Sherry/Vino de Jerez(シェリー/ヴィノ・デ・ヘレス)ですから、酒精強化
したフォーティファイド・ワインに思えるのは当然なのですが...。しかし、フィノや
マンサニージャは白ブドウで造った白ワインに分類される事も事実です。酒精
を強化してあるからと言って、焼酎・ウイスキー・ブランデーなどの蒸留酒の様
にアルコールが浮き立つ程の強い口当たりではなく、酒精強化のない白ワイン
よりも少々アルコールを強く感じる程度の差しか、本来はありません。それも
ほとんど嫌味がない程度に。
では、なぜ、日本で飲むフィノやマンサニージャはフォーティファイド・ワインに
しか思えないのでしょうか?それはフィノやマンサニージャはフォーティファイド
・ワインの中で最も繊細で、アルコール度数が低く、フレッシュさと軽やかさを
備えたワインですので、スペインから日本へ遥々、長旅をして来日する際中に
コンディションを崩し、本来持つ白ワインらしさを失ってしまうからなのです。
フォーティファイド・ワインに限らず、繊細な酒質のワインは細心の注意を払い
輸送する必要があるのです。そんな注意を払って日本に迎えられたシェリー、
フィノやマンサニージャだけが現地と同様の白ワイン感覚で味わえる酒質を
保っている訳です。
そんなの当り前じゃないの?ところがそうでもないのです。多くの輸入元、いや
ほとんどの輸入元の考えは、こうです。酒精強化してあるから品質の劣化は
起こらない。だからコストが高くつく定温コンテナ(空調装置の付いたコンテナ)
での輸送をする必要がないと。その結果、海上や港で高温にさらされ、熱劣化
で繊細さが失われ、強化したアルコールが浮いた感覚の主張をする様になり、
香りは干し草、石こうの様な乾いたニュアンスを備え、味わうと苦味が突出し、
白ワインとは言えないアルコール飲料となってしまっているのです。
2009年にへレスを実際に訪れ、多くの造り手のフィノやマンサニージャを口に
するまで、この日本でのその様な真実を知りませんでした。無知とは恐ろしい
ものです。コンディションを崩し、更に品質を劣化させたフィノやマンサニージャ
をその時まで平気で販売していたのですから。
でも、その失敗は良い経験です。学習により修正されました。当店で販売する
フィノとマンサニージャは限りなく現地での状態に近い商品のみです。仕入の
前にコンディションをチェック。そして収穫年がない商品ですので、ビン詰め時
のロット番号もチェック。実際に入荷して来た商品が、仕入れ前にチェックした
商品と同じロット番号なのかもチェック。同じなら販売、違うならテイスティング
し再チェック。品質がOKなら販売。それが当店のポリシーです。
だから安心してお買求め下さい。優良コンディション保証済み商品です。現地
での味わいをこの日本ででも。白ワインなんだなと実感できるマンサニージャ
の到着です。是非、味わってみて下さい。シェリーの負のイメージを払拭する
逸品です。
La Gitana Mansanilla en Rama
ラ・ヒターナ、マンサニージャ・エン・ラマ
相性の良い料理:柑橘類の酸味や青みの薬味、ハーブが良く合う淡白な
味わいの料理。
チーズなら・・・シェーヴル(山羊乳)タイプ。
飲み頃温度:7度。
<軽く、爽やかな辛口> 3,000円(消費税別)
現地でのマンサニージャの相棒、Calamares Fritos/カラマレス・フリトス、
(イカフライ)レモン果汁を振りかけて。
日本的に行くのなら、焼きハマグリ。そして、タケノコの淡い炊き合わせに
ワカメを添えて。こんな春らしい料理に繊細でリフレッシングな香味をした
マンサニージャはピッタリのワインです。