2024年7月18日木曜日

7月24日(水)は土用の丑の日(一の丑)です。

誕生日にケーキを食べなくたって別にOKですし、土用の丑
の日に何を食べたって自由なのですが、日本古来の風習に
鰻を味わい、英気を養う習わしがあります。
今年の土用の丑の日は7月24日と8月5日の2回。1回
の時もありますが、今年は2回。是非、ワインと共に鰻を
味わい尽くして下さい。
鰻の料理はワインと実に良くマッチするのですが、どの様
な料理なのかにより、調和するワインが完全に異なります。
鰻の料理と言えば、蒲焼が最も一般的ですが、他に白焼も
なかなか人気のある食べ方です。
蒲焼をどの様に食べるのか、白焼をどの様に食べるのか。
いくつかのパターンで、相棒となるワインを紹介します。
その前に鰻の味わいについて考えてみましょう。鰻の味を
知る事で相棒の対象となるワインを絞り込めます。
鰻は脂肪分がとても多いです。鰻には血合い、鉄分ぽさ、
土っぽさを感じる味わいがあります。脂肪分にはワインの
渋味成分(タンニン)が良く調和します。タンニンはロゼ
と赤ワインに明確にあります。血合い、鉄分ぽさはワイン
の場合、原料ブドウに由来する成分にもたらされるもので、
サンジョヴェーゼ/Sangiovese、ネッビオーロ/Nebbiolo、
テンプラニージョ/Tempranillo、メルロ/Merlotなど果皮が
紫色の黒ブドウで造ったワイン(ロゼ、赤)に顕著です。
ワインに感じる土っぽさは地味と言う要素で、原料ブドウ
が育まれた大地に由来しますので全てのワインにあります
が、一般的にある程度、熟成を経てフルーティーさが落ち
着いたワインに顕著になります。
以上に加え、鰻の調理の仕方、出来上がった鰻料理をどの
様に食べるかを考え、ベストの相棒を見つけ出します。魚
の料理だからと言って、相棒は常に白ワインだと思っては
いけません。食材(魚、肉)がワインをコールするのでは
なく、食材に関係なく、調理法、味わいがワインをコール
します。




*蒲焼
既に言及した様に鰻の味わいを考えると相棒となるワイン
は赤がベターです。更に蒲焼のフレーヴァーを考慮すると
赤ワイン一択になります。それはタレの存在です。醤油が
ベースとなり、継ぎ足し、寝かされ、長期に渡り熟成した
深みのある味は完全に赤ワインと融合します。元々、相性
の良い醤油が豊かなエキスを含み、熟成で成分が重合する
事で、香ばしく、豊潤な味わいを生むソトロンが生成され、
それがある種の赤ワインと抜群の相性の良さを見せます。
その赤ワインにもソトロンを感じるからです。ある程度の
熟成を経た赤ワインが蒲焼の相棒です。




・山椒をかけずに食べるなら
ソトロンを感じる熟成感のある赤ワインが良く、タレの味
の状態に応じ、果実味のリッチさから来るフルーティーを
ある程度備えているワインでもOKの場合があります。
ワイン単体ですとミネラリーさが強く感じられる。鉄分の
ニュアンスが重く感じられる。血合いっぽさがワイルドに
広がり過ぎる。この様な性質の赤ワインが鰻の蒲焼の味の
豊かさには最適です。
*Joubert 2019 Brouilly Vieilles Vignes
 ジュベール、ブルイィ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
飲み頃温度:19度。
<ミディアム~フルボディー>
4,***円
このタイプでもっとお手頃価格のワインも多数あります。




・山椒を十分にかけて食べるなら
山椒のフレーヴァーに同化する香り、味わいを備えている
事が相棒としてのワインのマスト条件になります。山椒を
かけずに食べる時に選んだワインと同様の酒質で、そこに
山椒の風味に通じる同系の香味を持つ赤ワインがベストの
選択です。
*Torrevilla 2013 Bonarda dell’Oltrepo Pavese
トッレヴィッラ、ボナルダ・デッロルトレポ・パヴェーゼ
飲み頃温度:19度。
<フルボディー、微発泡>
3,***円
このタイプでもっとお手頃価格のワインも多数あります。




*白焼
タレとの相性を考慮する必要のない白焼は、表面の焼き目
の香ばしさ、鰻の脂肪分、鉄分ぽさや血合いっぽさに着目
し、ワイン選びを行います。
白焼の状態により赤ワインがOKな場合もありますが、赤は
基本的に対象外で良いでしょう。焼き目の香ばしさに同化
するフレーヴァーは木樽熟成から来ます。白焼の脂肪分に
対応する味わいの深みも同様と考えて良いでしょう。
問題は鉄分ぽさと血合いっぽさです。これは赤・ロゼ特有
のフレーヴァーですが、赤ワインは対象外にしましたから
別に探さなくてはいけません。それらが何に由来するのか
思い返してみましょう。果皮が深い紫色の黒ブドウに由来
するのでした。と言う頃はロゼワインはもちろんの事、黒
ブドウ果皮の色素を取り込まずに造った白ワイン、ブラン
・ドゥ・ノワ/Blanc de Noir(黒ブドウで造った白ワイン)
の中に相棒となるワインがありそうです。




・塩で食べるなら
白焼の鰻の香ばしさ、鉄分ぽさ、血合いっぽさに着目です。
香ばしさへの調和を優先させるなら、木樽で発酵、熟成の
芳醇、豊潤な白ワイン、例えばシャルドネ/Chardonnayで
造ったアメリカやオーストラリアの白ワインの中に相棒が
見つかるでしょう。只、時にそのワインでは口中に生臭さ
や強すぎる野趣さを広げてしまうかもしれません。
やはり、鉄分ぽさと血合いっぽさにも対応できたワインの
方がベターでしょう。黒ブドウで造った白ワインなら鉄分
ぽさや血合いっぽさを感じるフレーヴァーを備えたものが
かなりあります。店で販売しているそんなブラン・ドゥ・
ノワをお勧めとして紹介します。
*La Genisia 2021 Pinot Nero Vinificato in Bianco
 ラ・ジェニシア
 ピノ・ネーロ・ヴィニフィカート・イン・ビアンコ
飲み頃温度:11~14度。
<コクのある辛口、微発泡>
3,***円
このタイプでもっとお手頃価格のワインも多数あります。




・塩&山葵で食べるなら
この食べ方の場合、山葵の香り、味が及ぼす影響の大きさ
に注目しなければなりません。山葵のフレーヴァーだけを
気にすればOKと言っても過言ではありません。
色と色は連動している事は今までに何度も言及しています
が、緑色の山葵のフレーヴァーをロゼワインや赤ワインに
感じる事は絶対にありません。緑色の山葵のフレーヴァー
を感じるのは、やはり緑色の色調を感じる白ワインです。
そして緑色のイメージをシッカリ抱く事の多いワインは、
ソーヴィニョン・ブラン/Sauvignon Blancやグルナッシュ
/Grenache(ガルナッチャ/Garnacha)から誕生します。
その様な品種で造った白ワインが相棒となります。
*La Vie 2023 Sauvignon Blanc
 ラ・ヴィ、ソーヴィニョン・ブラン
飲み頃温度:11~14度。
<コクのある辛口>
2,***円
このタイプでもっと高額のワインも多数あります。




WINE HOUSE
開店時間:14時~19時
定休日:毎月7日、15日
支払方法:現金 or PayPay
入店時のルール:マスクの正しい着用、手の消毒

昨年の元旦の朝に発症した右顔面麻痺が未だに治癒しません。
1年半経ちました。時間の経過は早いものです。色々な治療
をしましたが、もう治らないそうです。この麻痺の為、右目
が閉じず異物が混入し易い状態です。飛沫の侵入で感染症を
患う可能性があります。
ご存じの方が多いとは思いますが、当店では対面にて商品に
関する様々な説明をします。その際、飛沫をブロックする為
どなたにもマスクの着用をし、飛沫拡散を防止して頂く事に
していますので、宜しくお願い致します。