ワインに関しての話しですが、ラベルが奇抜だったり、瓶が
凝っていたり、そんなワインの多くは中身が伴っていない事
があり、品質にも気を使って欲しいなと思っています。
しかし、時々、見かけ倒しでないワインがあります。稀有な
事ですが。久し振りにその様なワインがありましたので紹介
します。
そのワインはロゼ。イタリア南部プーリア州産のワインで、
この地を代表するブドウ(多くの場合、赤ワインを造ります
が)プリミティーヴォ / Primitivoで造りました。ロゼワイン
でありながら赤ワインを彷彿させる厚みのある味わいを備え
ワインの色が判らない状態で味わったなら、多くの人がロゼ
でなく、赤と思うでしょう。
プリミティーヴォは果皮の色が黒みがかった深い色合いの紫
をした黒ブドウです。ワインの色は通常、果皮の色に由来し、
黒ブドウの果皮をどの様に処理するかで、白ワインも、ロゼ
ワインも、赤ワインも造る事ができます。
巨峰を思い浮かべてみて下さい。巨峰を食べる時、皮を剝き
ます。果肉、果汁は白っぽいはずです。そして皮を剥いた指
を見れば紫に色付いています。果汁に果皮の色素が移行して
初めてロゼや赤を思わせる色調の果汁になるのです。その様
になった果汁を発酵させればロゼワインや赤ワインができる
訳です。
キャッチーなセールス・プロモーションで購買意欲をそそる、
インパクトある外観で目立たせて衝動買いさせる、売り手の
思惑に釣られた結果、消費者が後悔してしまうのは論外です。
だから当店は見かけ倒しの商品を絶対に販売しません。顔が
良かろうが、仕入れ条件が良かろうが、そんな事で仕入れ、
店で販売するなどありません。
だって当店は年間約10,000種類のワインをテイスティングし
その内のたった5%のワイン、品質重視で厳選したワインしか
販売しないのですから。今日、紹介のロゼワインは品質重視
で選んだ結果、偶然、衝撃的なデザインのラベルだった。唯
それに尽きます。ロゼワインの素晴らしさを認識できる逸品
です。是非、お勧めの様に楽しんで下さい。
トラマリ2023ロゼ・ディ・プリミティーヴォ
飲み頃温度:11~14度。
<しなやかで丸みのあるふくらみを感じる辛口>
2,***円
リンゴの外皮を思わせる爽やかさに加え、ジャーキー(特に
ビーフ)を思わせる野趣なヒントがあります。
味わうとライトな赤ワインをイメージさせるタンニン(渋味
成分)の広がりを核とし、果実味、アルコールの厚みが織り
成すふくらみのあるボディーを感じます。それが柔和な深み
となって余韻に残ります。ロゼワインとしては比較的リッチ
で、赤ワインに近い酒質です。
この様なタイプにはスパイシーさとワイルドさ、爽やかさと
ワイルドさが共存している料理、食べ物を合わせ、楽しむと
良く、「ペパロニのピッツァ」、「鉄火巻き」などと一緒が
お勧めです。