ワインの原料はブドウ。それにも関わらずワインにはブドウ
ではない果実の香りを感じます。更に花、植物、野菜、赤身
の肉、スパイス、コーヒーやチョコレート等のフレーヴァー
さえ感じます。不思議で、興味深い事です。
原料ブドウに由来する、発酵に由来する、木樽に由来する、
熟成に由来する無数の成分が重合した結果、ブドウではない
フレーヴァーも形成され、それらがワインに感じられる様に
なる訳です。
そのフレーヴァーと同系のフレーヴァーを持つ料理や食べ物
をペアリングしてあげれば、似た者同士は上手く行くの通り、
ワインと料理、食べ物はマリアージュを奏でます。
緑黄色野菜を感じるなら、それを使った料理と。血合いぽい
野趣さを感じるなら、赤身肉を使った料理と。チョコレート
を感じるなら、チョコレートと一緒に。と言った具合に。
チョコレートを思わせるフレーヴァーは多くの場合、ワイン
メイキングに使った木樽からワインにもたらされます。新樽
であったり、アメリカン・オークの樽でワイン造りを行った
時、特にワインにチョコレートのヒントを感じます。オーク
の持つ成分がワインに豊富に移行し、それが重合し、チョコ
やコーヒーのフレーヴァーとなります。
今、世界の流れは赤ワインとチョコレートのマリアージュを
楽しむ。ワイン伝統国より、ニュー・ワールドと総称される
ワイン生産国、アメリカ、オーストラリア、東ヨーロッパで
盛んです。
未体験の方にとってワインとチョコレートを一緒に楽しむと
言う行為は少々違和感があり、躊躇しそうですが、実は自分
がそうでしたから、実際にペアリングしてみるとその調和は
筆舌に尽くし難い素晴らしさがあります。
今日、紹介の赤ワインはチョコレートを思わせる香味の存在
が明確にあります。チョコレートと一緒に楽しむのにベスト
な1本です。是非、チョコレートと共に奏でるマリアージュ
を実感して頂きたいと思います。
セイクリッド・ヒル2021オーストラリア、シラーズ
飲み頃温度:15~18度。
<華やかさと豊潤さが共存したミディアムボディー>
1,***円
コーヒーのニュアンスも感じますので、カカオの純度が高い
チョコレートや濃厚な味わいのチョコレート・ケーキと一緒
に楽しむのがお勧めです。
また、この赤ワインにはブルーベリーのコンポートのヒント
もありますので、ベリー果実を添えたチョコレート・ケーキ
やベリー果実のペーストの入ったチョコレートとの相性も良
です。