当店が小布施ワイナリーの特約店で、2月~4月頃にSakeを
販売している事をご存じでしょう。当店はWINE HOUSEと
言う名のワイン専門店で、酒屋ではありませんので、ワイン
販売に特化した商いをしているのですが、小布施ワイナリー
のSakeの他に、新潟県小千谷市の高の井酒造が醸す日本酒
(IONO)も密かに販売しています。
日本酒もワイン同様、料理や食べ物と共にある飲料と思って
いますので、味わいの幅や深みのない、いわゆる、淡麗(時
に水の如し、などと表現される)なタイプの酒には用がなく、
料理や食べ物とペアリングしてその真価が発揮される山廃の
酒や熟成させた(ひやおろし)酒こそ当店が販売する日本酒
です。
高の井酒造の酒を販売する理由は簡潔。当店が売るべき酒質
の日本酒がそこにあるから。以上です。当店が求める日本酒
は相棒となる料理や食べ物を語れる、マリアージュを語れる
そんな日本酒です。
ひやおろしは、秋あがり酒とも言われ、冬場に醸した日本酒
を低温でひと夏越し、熟成が進んだ秋に販売する酒ですので
夏の今、当店にはまだありません。また、小布施ワイナリー
の酒は2~4月の販売ですから、それらもありません。
原酒です。吟醸酒ですが、山廃造りならではの複雑で、落ち
着いた香味のある酒質に仕上がっていて、いわゆる吟醸香は
ありません。冷た過ぎない温度で、豊かな味わいの広がりを
十分に引き出して味わいたい酒です。
このタイプの酒は「旨味」がギッシリ詰まっていて、鰹節、
昆布、シイタケなどを使った料理との相性に優れ、また発酵
食品との相性も良好です。また、山廃造りに由来する乳系の
旨味がクリーミー、ミルキーな料理をコールします。
飲み頃温度:15度。もう少し高くてもOK。
<ふくよかなコクのある辛口>
2,***円
色々な料理、食べ物とペアリングしてみましたが、最も印象
に残った2品がこちらです。
塩昆布の旨味成分が日本酒の旨味、乳酸と調和します。ゴマ
の油分、旨味が山廃由来のオイリーな旨味とリンクします。
野菜の地味が日本酒の落ち着いた味わい深さと融合します。
塩昆布と野菜を一緒に食べても、この日本酒とマリアージュ
を奏でますが、別々に食べ、塩昆布、胡瓜、かぶとの3種類
のマリアージュを是非、お楽しみ頂きたいと思います。
鱈、北寄貝の旨味、ポルチーニの地味、ソースのクリーミー
さ、それらすべてがこの日本酒に備わった要素と共通します。
魚の表面は少々、強めに焼き目を付け、香ばしさを強調した
方が日本酒のフレーヴァー(和釜で炊いた米、おこわを連想
する)とより密にリンクします。