優れたワインはワイン用高貴品種(ヴィティス・ヴィニフェラ
と言うブドウ属)から誕生すると言われ、生で食したり、食品
に加工されたりする事の多いヴィティス・ラブルスカ、山葡萄
のヴィティス・コワニティエではヴィニフェラのワインに肩を
並べるワインは造れないと思われています。
果たしてそうでしょうか。多くの場合、その様な見解は正しい
と言えます。しかし、物事には必ず例外があり、ラブルスカや
コワニティエからでも驚くような品質のワインが生まれる事が
あります。
そんなワインに出会いました。そのワインを造ったのは奥出雲
葡萄園。島根県雲南市にあります。実はこのワイナリーに思い
入れがあり、ずっと気にかけ、チャンスがあれば彼らのワイン
を販売したいと思っていました。
奥出雲葡萄園を訪問したのは2008年でした。なぜこの造り手に
思い入れがあるかと言えば、その当時、ワイン界の常識を覆し
山葡萄でワイン造りをし、そのワインをテイスティングした時、
ノック・アウトされる位の衝撃を受けた事があるからです。
更にこのワイナリーを訪問し、当日の宿泊ホテル(アナH米子)
で森元首相の講演会があり、とてつもない厳重な警備でホテル
に入るまでに数時間費やした事。そんな警備事情なのに元首相
と目の前で会い、挨拶を交わした事があって、その日の記憶が
極めて鮮明に今でも残っているからです。
物事は願えば叶うもの。遂に奥出雲葡萄園の山葡萄の心を打つ
ワインを店で販売します。ヴィニフェラ、コワニティエなんて
関係ない。誰がどの様なポリシーで、どれだけの愛情を注いで
造ったかが問題。
日本ワインと言うカテゴリーのワインを取り扱うのは、小布施
ワイナリーのワイン、勝沼醸造のワインに次いでになります。
当店が時代の流れ(日本ワイン・ブーム)に流されず、どれ程
こだわり、理解し、思い入れ、それだけを大切に販売するのか
を知って頂けると確信しています。
同じブドウであってもヴィニフェラとコワニティエは、うどん
とそば程の違いがあります。見た目が違います。ブドウ実の味
(性質)が違います。結果、出来上がるワインも当然、類似性
はあるものの、違います。
ですから、ヴィニフェラで造ったワインを基準に考えると、他
の属のブドウ、コワニティエで造ったワインが基準から外れる
ので、評価が下がる。そう言った現象が起こる訳です。
土俵の違う者同士を同じ基準で語らない。各々の背景を考慮し、
それぞれの基準でその素晴らしさ、価値を考える。この事を常
に当店では念頭に置き、ワインをテイスティングし、ボトルの
中の真実を捉えています。
それでは驚愕の品質、飲み手の心をわしづかみにする山葡萄の
ワインを紹介します。奥出雲葡萄園、杜のワインです。山葡萄
を主体に造った赤ワインです。軽やかさがありながら、野趣な
味わい深さがあります。通常、ライトなボディーですと野趣さ
はないのが一般的ですので、山葡萄ならではの個性です。
*杜のワイン赤
飲み頃温度:15~18度。
<優雅な果実味に和みを感じるライト~ミディアムボディー>
3,***円
サクランボ、メントール、プラム、ザクロ、富士リンゴの外皮
を思わせる爽やかさがあります。その一方で樹脂、シダ、山椒
をイメージする奥深い香りも感じます。
味わうと酸味を基調とし、軽快な口当たりながら、甘味、酸味、
苦味、渋味(赤ワインの4大要素)のバランスの良い広がりに
深みを感じます。
更にそれらを品位あるオーク樽のヒントが包み込み、穏やかで
広がりある味わい深さを創り出しています。また、山葡萄なら
ではの地味の表現があり、それは真に土の味を思わせる様です。
この様なタイプの赤ワインは、以下の様な料理と一緒に楽しむ
と持ち味を全て発揮します。
・ホウレン草入り出汁巻き玉子焼き
ワインの優雅な果実味が玉子と、ワインにある緑色の要素が
ホウレン草と調和します。
・山椒の葉の天ぷらを天つゆで
両者の山椒のフレーヴァーが調和し、醤油ベースのつゆ、汁
と好相性の赤ワインの味わいが融合します。
そして、ワインの地味を最大限に生かし、料理とマリアージュ
させるのなら「とろろ」がそのカギを握っています。極めつけ
の相棒は、「牛皿麦とろ御膳@吉野家」です。
既に言及した様に、醤油と赤ワインとの調和があります。牛肉
の野趣さとワインの味わいの野趣さの調和があります。とろろ
と麦のアーシーさとワインの地味の調和があります。これだけ
多くの共通項があれば、似た者同士は...ではないですが、それ
ぞれがそれぞれの相棒に最適と言えるでしょう。
なかなか出会う事のない驚きの品質の山葡萄のワイン。是非、
相棒として相応しい料理、食べ物と共演させ、そこに生まれる
至福のマリアージュをご堪能下さい。
WINE HOUSE
開店時間:14時~19時
定休日:毎月7日
支払方法:現金 or PayPay
入店時のルール:マスクの正しい着用、手の消毒
元旦の朝に発症した右顔面麻痺が未だに治癒しません。この
麻痺の為、右目が閉じず異物が混入し易い状態です。飛沫の
侵入により感染症を患う可能性があります。
ご存じの方が多いとは思いますが、当店では対面でワインに
関する様々な説明をします。その際、飛沫をブロックする為
どなたにもマスクの着用をし、飛沫飛散を防止して頂く事に
していますので、宜しくお願い致します。