ワインはブドウから誕生します。それにも関わらず、ブドウ
ではない果実の香りも感じるから神秘的な飲み物です。花の
香りもありますし、植物やナッツ、香辛料、チョコレートや
コーヒーの香りさえあります。
通常、料理や食べ物は原材料として使用した食材以外の香り
をほとんど備えていません。ではなぜワインにはブドウ以外
の香りを感じるのでしょうか。
ワインの香りは原料ブドウに由来するもの、発酵に由来する
もの、熟成に由来するものがあり、その構成要素は数千にも
なります。
白と赤が融合すれば別の色、ピンクが生まれる様に、複数の
香りが重合する事で、ブドウとは全く別の香りが生成され、
それがブドウではない果実、植物、ナッツ、香辛料、チョコ
コーヒーなどを思わせる香りとして認識されるのです。
ワインは香りを楽しむと同時に、色(外観)を楽しむ、更に
味わいを楽しむ飲料ですが、興味深い事に、香りと色、味は
連動しています。
白ワインには白色、黄色、緑色をイメージするフレーヴァー
があり、赤ワインには赤色、茶色、黒色をイメージするそれ
があります。
白ワインには苺、ブラック・チョコレートやエスプレッソを
思わせる香味がない。また赤ワインにはレモン、ホワイト・
チョコ、カフェ・オ・レを思わせる香味がない訳です。
ではロゼワインはどうでしょうか。ロゼワインを2つに大別
し、考えてみましょう。濃淡ではなく、色調の違いで酒質を
大別できます。それは赤い色調があるか。オレンジの色調が
あるかです。
軽やかでフレッシュな香味を備え、限りなく白ワインに近い
タイプのロゼワインは赤い色調を備えている傾向があります。
コクがあり、落ち着いた深みのある香味を備え、限りなく赤
ワインに近いタイプのロゼワインはオレンジの色調を備えて
いる事がほとんどです。
つまり、色が薄い、色が濃いよりも渋味成分(タンニン)が
少ないか、多いかは色合いではなく、色調に因ります。赤の
トーンを感じる場合、渋味は少なく、つまり白ワイン的で、
また赤い果実を思わせるチャーミングなフレーヴァーに満ち
溢れています。オレンジのトーンを感じる場合、渋味は多く、
果実味は控えめで、赤身肉が食べたくなる様なワイルドさを
感じます。
を備え、軽やかでジューシーさいっぱいの酒質をしています。
ラズベリーやアセロラを思わせる香りがあり、それは生果と
言うよりジュースやキャンディーの様で、一瞬、甘口ワイン
かと思えるニュアンスです。
真にフルーツの様な、飲む果実の様な酒質のワイン。こんな
ワインと言えば、そう、一緒に楽しむべきはあれです。今度
はこのロゼワインでマイスター佐藤の生ハム@フローエス・
ゲグルンツェを楽しんで下さい。