2022年11月12日土曜日

オーストラリアならではの...。

いわゆるワイン伝統国(欧州の)にはない自由な発想でワイン
を造り、それがその国のワインのユニークな個性となっている
事が多々あります。ニュー・ワールドと形容されるオセアニア
やアメリカ大陸にある国々に於いてです。
その代表的な国はオーストラリア。Shiraz / シラーズ(Syrah/
シラー)とCabernet Sauvignon / カベルネ・ソーヴィニョン、
つまりシラーの故郷であるローヌ地方とカベルネの故郷である
ボルドー地方の融合などフランスではまずあり得ないのですが、
そんな組み合わせもオーストラリアでは珍しくもなく、普通に
行われています。
またセムシャ / SemChaと呼ばれ、フランスのボルドー地方が
故郷のSemillon / セミヨン、同じくブルゴーニュ地方が故郷の
Chardonnay / シャルドネで造る白ワインもオーストラリアを
代表し、オーストラリアならではのブレンド・ワインです。
そんなオーストラリアから香り、味わいが印象的な白ワインと
赤ワインが日本に来ています。その2種類を酒質の解説と共に
非常に相性の良いパンも含め、紹介します。

*The Stump Jump 2019 White
 ザ・スタンプ・ジャンプ2019白

飲み頃温度11~14度。
<コクのある、やや辛口>
1,**0円
Riesling / リースリング、Marsanne / マルサンヌ、Roussanne / 
ルーサンヌと言った3品種のブドウで造ったワインです。
マルサンヌとルーサンヌはかなり有名な品種ですが、馴染みの
ない方も多数いると推測します。この2品種はフランスの著名
まワイン産地、ブルゴーニュの南部にあるローヌ地方の北部が
故郷とされています。
そんな2品種ですから、異国のドイツが故郷のリースリングと
出会う事(ブレンドされる事)などワイン伝統国では皆無です。
しかし、オーストラリアにはあります。国境なきブレンドが。
リースリングはアロマティックな白ワインとなり、マルサンヌ
とルーサンヌは白としては最も芳醇なワインを生み出す品種で、
この白ワインの面白さはそこに起因しています。
つまり、香りを感じれば、果実のコンポートを思わせる豊かな
華やかさがあり、一瞬、甘口ワインなのか。と思わせます。が、
味わうと、マルサンヌ、ルーサンヌの白ワインがもたらす芳醇
さ、力強さがその甘いニュアンスを消し去ります。ブレンドの
妙とは真にこの事でしょう。
そんな個性を備えた白ワインですから、相棒に選ばれるパンは
甘いニュアンスのフレーヴァーがあり、オイリーな旨味も感じ、
それらが織り成す味わいが備わったタイプとなります。




そこで思い浮かんだパンはこれ。「カボチャとクリームチーズ
のパン」です。カボチャのハニーさ、カボチャとチーズの融合
が生むトロミある旨味がこの白ワインの持つ要素と同化します。
複数の食材のハーモニー、ブレンド・ワインならではの多面的
フレーヴァーがあるからこそのマリアージュを奏でます。是非、
それを実感して下さい。




*The Stump Jump 2018 Red
 ザ・スタンプ・ジャンプ2018赤

飲み頃温度:15~18度。
<ホットなスパイシーさあるミディアム~フルボディー>
1,**0円
オーストラリア産ブレンド赤ワインの代名詞とも言えるGSM。
Grenache / グルナッシュ、Shiraz / シラーズ、Mourvedre /
ムールヴェドルの3品種で造り上げた、時にGMSの事も、多様
な表情を見せてくれる酒質の赤ワインです。
グルナッシュ由来のドライ・ハーブを思わせる香り、シラーズ
由来のブラック・ペッパーを思わせる香り、ムールヴェドルが
もたらすリッチさが上手く融合し、豊かなフレーヴァー、厚み
のあるボディーを形成しています。
また、3品種に共通し、ワインへともたらされる赤身肉や肉の
加工品をイメージさせる野趣さが、ワインに深みを添えます。
その様に多様な表情を持つ赤ワインにどんなパンをペアリング
し、最高のマリアージュを創り上げましょうか。




グルナッシュとシラーズ由来のスパイシーさ、ムールヴェドル
由来のリッチさ、3品種由来の野趣さをパンに求めます。思い
浮かんだのはこのパン。「エピ」です。
ブラック・ペッパー、チーズ、ベーコン。この赤ワインと同系
の要素が全て揃っています。似た者同士は上手く行く。エピと
ザ・スタンプ・ジャンプ(赤)のマリアージュを是非、ご堪能
下さい。




今日紹介のワインと共に味わい、マリアージュさせたいパンは
こちらで!!
「花にかこまれて Garden Cafe 南の麦」
栃木県足利市八幡町245-1 月・火休み

南の麦のパンは一つずつ袋に入っていますから衛生的です。