これは素晴らしい。今、飲んでも楽しめる。でも今後、大きく
向上し、ワン・ランク上の素晴らしさを楽しめるに違いない。
ワインをテイスティングした時、そう思う事がかなりの確率で
発生します。
福沢諭吉が必要な高額のワインだけでなく、私達がデイリーに
楽しむワインにも、それより少々リッチなワインにも例外なく
ある事です。
そんな時、ワインをワン・ランク上のステージに上げてあげる
為、仕入れたそれらのワインを直ぐには販売せず、セラーにて
保管、酒質の向上を待つ事があります。
商品は通常、直ぐに販売する為に仕入れていますから、それを
販売せず、キープすると言う事はお金の流れが起こらない訳で、
商いをする上で非常に経営を圧迫します。
それでも尚、経営を圧迫する行為を時には躊躇なく行います。
ワイン専門店として、最高の状態のワインを、ベストな状況で
楽しんで欲しいから。
当店が育み、最高のコンディションにまで昇華したドイツ産の
ワインを満を持して販売開始します。そのワインは果皮の色が
深い紫色の黒ブドウ(Pinot Noir/ピノ・ノワ、ドイツではそれ
を通常Spatburgunder/シュペートブルグンダーと呼ぶ)で造り、
赤みを感じるオレンジ色の美しい色調を湛えています。
見た目から言えば、ロゼワインなのでしょうが、その外観は今、
話題のオレンジワインとも言えますし、スパークリングワイン
に多いパターンですが、ピノ・ノワなどの黒ブドウで造ったor
黒ブドウの比率の多い白の外観にも類似しています。
このワイン程、色合いの濃い事は稀ですが、黒ブドウで造った
白ワイン(Blanc de Noir/ブラン・ドゥ・ノワ)は同系の色調
をしていて、天候に恵まれ、非常に色付きの良い黒ブドウから
ワインが誕生したので、ブラン・ドゥ・ノワの外観よりもロゼ
を思わせる深い色合いになったと思います。
ブラン・ドゥ・ノワのワインの大きな特徴は、完熟した白桃を
思わせる香り、苺ミルクを思わせる香りがあり、フルーティー
なワインとはこう言うワインだと教えてくれます。
また、酸味を基調としたシャープなキレのある口当たりが特徴
の白ワインと異なり、白ワインであってもブラン・ドゥ・ノワ
のワインはしなやかさ、和み、優しさを口中に広げ、酸はその
中に柔和に溶け込んでいます。
この様な酒質のワイン(ブラン・ドゥ・ノワ)は、素材の持つ
優しい甘味旨味がシットリと備わった料理、食べ物との相性に
優れ、「キスの天ぷらを天つゆで」、「甘鯛のかぶら蒸し」、
「ホタテ貝のフライを塩で」、「塩そぼろあん」、「コンソメ
スープ」などとの相性に優れ、また「生ハム」などスパイシー
でない肉の加工品とは抜群の相性の良さを見せてくれます。
保有しているハム・ソーセージ職人が営む店があるのをご存じ
ですか。今日紹介のワインにパーフェクト・マッチするハムが
その店で購入できますので、是非、素晴らしいマリアージュを
実感して欲しいと思います。
が奥様と営んでいます。マイスターの生ハムがあれば優先順位
1位でお勧めしたいのですが、今は販売期間外でありません。
そこで次に今日紹介のワインの相棒となるハムがこちらになり
ます。画像の3品で、左から牛肉のハム(リンダー・シンケン)、
シンプルながら味わい深いハム(リオナ)、牛の穏やかな旨味
が優しく広がるハム(リンダー・ビアシンケン)です。
見た目は全く異なりますが、素材となった肉に由来する上品な
甘味旨味がシットリ広がる所は共通する要素で、それが今日、
紹介しますワインのしなやかさ、和み、優しさある酒質と相乗
します。
3種類のハムの味わいの深みには強弱がある事は推測できると
思います。ですので、今日紹介のワインにどれか1種類を選ぶ
のなら、リンダー・ビアシンケンがベストで、もう1種類可能
なら、リオナと言った感じで購入するとベターでしょう。
