2022年8月2日火曜日

牛丼店Yの鰻をなめんなよ!! 土用の丑の日を前に。

香り、たれの味わいの深み、肉厚で柔らかい鰻、高貴で深い
フレーヴァーの山椒。黒いプラスティックの器に、それらが
盛り付けられ、目の前に出て来て、実際に味わった時、誰が
その鰻丼を牛丼店のだと思うでしょうか。と言うより、ほぼ
全員が名の知れた鰻屋の鰻丼だと思い、どの鰻屋のかと調べ
始めるでしょう。
この夏、二度目の土用の丑の日(4日)を目前に控え、前回の
丑の日の鰻のチョイスは失敗したから、今度は何処にしよう
かと思案しているのなら、迷わず、牛丼店Yの鰻をTo goする
事をお勧めします。




Yの鰻丼(テイクアウト用)には山椒が1袋付いていますが、
非常に素晴らしい風味をしていますので、もう1袋お願いし
鰻にもご飯にもいつもより多く振りかけ、鰻丼の風味を数段
レヴェル・アップさせ、味わうのは如何でしょうか。
もし、その様にし、食べるのなら、その時に一緒に味わって
欲しい赤ワイン、鰻にペアリングさせると、マリアージュを
創り出してくれる赤ワインがあります。
その赤ワインはイタリアのウンブリア州(中部の内陸)産の
Sangiovese/サンジョヴェーゼで造ってあり、とてもリッチ
な厚みのあるワインです。
サンジョヴェーゼの赤ワインと言えば、ウンブリア州の北西
にあるトスカーナ州となりますが、トスカーナとウンブリア
のワインではその趣がかなり異なります。
トスカーナのサンジョヴェーゼの赤ワインは酸味を基調とし、
そこに野趣なニュアンスのあるタンニン(渋味成分)が調和、
シャープさのある力強いボディーである事が一般的です。
それに対し、ウンブリアのサンジョヴェーゼの赤ワインは、
ハッキリとした果実味、豊かなアルコール分のヴォリューム、
柔らかい酸味、更に野趣なニュアンスに加え、コーヒーなど
の芳醇なロースティーさを伴った重厚な広がりのタンニンが
密に結び付いた豊かなボディーとなる傾向があります。
煮詰まり、そのフレーヴァーが凝縮した秘伝のたれの味わい
の深みが鰻の旨味を更に増大している事を考えると、たれが
なく、食材の野趣な風味(血合いのニュアンスであったり、
鉄分ぽさであったり、地味であったり)がストレートに主張
される料理(グリルした食材を塩、コショウで味わいを整え、
食す)なら、トスカーナのワインで良ですが、ここはやはり
よりリッチな酒質のウンブリアのワインを相棒に選びたいと
思います。




今日紹介のウンブリア州産のサンジョヴェーゼの赤ワインは
樹脂ぽさ(主に原料ブドウに由来)、醸造した飲料や調味料
が熟成するに従い明確に感じる様になるソトロンと言う成分、
粘性(アルコール分と醸造熟成時のオーク樽に由来)も十分
に備わっていて、それらも鰻の蒲焼が備えた要素にリンクし
お互いの共通項がより密接なマリアージュを完成させます。
牛丼店の驚く程、高レヴェルの鰻丼(山椒をタップリかけた)
のパーフェクトな相棒が奏でるマリアージュで8月4日の土用
の丑の日に英気を養って下さい。
*La Carraia 2020 Umbria Sangiovese
 ラ・カッライア2020ウンブリア、サンジョヴェーゼ

飲み頃温度:19度。
<芳醇なフルボディー>
1,760円




山椒が苦手な方で、山椒をかけないでYの鰻丼を食すのなら、
こちらの赤ワインがお勧めです。オリエンタルなスパイスを
イメージするフレーヴァーのない赤ワインです。
*Cascina Chicco 2020 Nebbiolo
 カッシーナ・キッコ2020ネッビオーロ

飲み頃温度:19度。
<力強さと優雅さが共存するフルボディー>
2,750円