ワイン造りに使うブドウにはワイン醸造用品種と食用を兼ねた
品種があり、前者の品種からできるワインが品質に優れている
と言われています。
確かにそれは一理ありますが、そう簡単に片づけられる話では
ありません。事実、醸造用高貴品種で造った赤ワインで、品質
が優れている赤ワインが渋くて嫌だ。もう飲めないと言う人は
いますし、食用を兼ねた醸造用高貴品種ではない品種で造った
赤ワインは優しい味わいで心地良く味わえると言う人もいます。
何事にも許容できる範囲、許容できる方法、許容できる術が人
それぞれにありますので、それぞれの立場でワインに接しつつ
それぞれの楽しみ方をすれば良いでしょう。
ワインは赤ワインでなければワインではない。と言った風潮が
残念ながらこの日本には蔓延していますが、そんな事を言って
いる時点でワインの事などこれっぽっちも理解していない訳で、
そんな事を気にせず、マイ・ウェイでワインを楽しんで欲しい
と思います。
また、赤ワインは渋くなければ(いわゆるフルボディー)ダメ
などと言う人もいますが、ワインは多様です、渋くなくたって
それもワインです。自分の思いに任せ、ワインを楽しんで頂く
事をお勧めします。
その赤ワインについてですが、赤ワインは通常、色が濃いから
渋いのです。それは赤ワインの色、それが渋味成分で、聞いた
事があり知っていると思いますが、ポリフェノールと言う成分
の一種です。
ポリフェノールが全て赤ワインの色の様ではありませんが、赤
やロゼワインの色を創っている成分で、赤やロゼワインの場合、
ポリフェノールの含有量が多いから色が濃く、従って、ロゼと
赤ワインを比べれば、赤ワインの色の方が濃いですから、ロゼ
よりも赤ワインの方が渋い訳です。
色が濃いのに渋味が優しいワイン、色が薄いのに渋味が力強い
ワインはあるのでしょうか。何事にも例外は付きものですから
ワインにもその例外があります。
色が薄いのに渋味が強いワインの代表格は、Barolo/バローロ
やBarbaresco/バルバレスコと言った赤ワインを造るブドウ、
Nebbiolo/ネッビオーロで造られたワインです。以前に何度も
言及していますので、当店のブログを遡ってチェックしてみて
下さい。
色が濃いのに渋味が優しいワインですが、こちらは極めて例外
な存在で、例えれば、気温が高いのに暑くないと言った具合で
常識で考えてもあり得ないのですが、濃いのに渋くない(渋味
が優しい)ワインは存在します。
そんな赤ワインを届けてくれたのは皆様ご存じ、無双、至高の
ワイン・メーカー、曽我彰彦さんが率いる小布施ワイナリー。
Alicante/アリカンテと言うブドウで造りました。
このアリカンテは風変わりなブドウでして、果皮の色が紫色の
ブドウ(大別すると黒ブドウ)なのですが、果肉まで赤紫色を
したブドウでTeinturier/タンテュリエと言い、果汁が赤ワイン
を思わせる色をしています。
巨峰やデラウェアを思い浮かべてみて下さい。それら黒ブドウ
は皮をむけば果肉は白っぽく、果汁も同様です。それは有名な
Cabernet Sauvignon/カベルネ・ソーヴィニョンやPinot Noir/
ピノ・ノワなどの黒ブドウも同様です。
果汁が白っぽいと言う事は、その果汁からは白ワインしか造れ
なく、果皮を果汁に浸漬し、果皮のその色素を果汁に抽出し、
発酵させ、初めてロゼワインや赤ワインが出来上がります。
一方、タンテュリエは果肉が赤紫色で果汁は既に赤紫色をして
いますから、果汁を発酵しただけでも淡い色合いの赤ワインを
造る事ができます。
その果汁に果皮を程良く浸漬(マセラシオンと言いますが)し、
果汁をより濃い色合いにし、それを赤ワインへと変身させます。
だけどどうして色が濃いのに渋味が優しいの?そうですよね。
赤ワイン(ロゼワインも)の色は渋味成分。色が濃いと言う事
は渋味成分が多い訳ですから。
赤ワインやロゼワインの渋味成分(タンニンと言いますが)は
その大部分、いや殆どを原料ブドウの果皮から抽出し、ワイン
へと変身する果汁が備えます。
つまり原料ブドウの果汁にはタンニンがあまり含まれていない
のです。それがタンテュリエの赤紫色の果汁であっても。これ
が色が濃いのに渋くない赤ワインの秘密です。
そしてタンテュリエから誕生する赤ワインの更なる特徴は香り
にあります。香水の様な、リキュールの様な華やかさがあり、
それはファンタ・グレープの蓋を開けた時に鼻腔に入って来る
あの香りを思わせます。
タイプの赤ワインは、料理との相性の守備範囲は決して広くは
ありませんが、いくつかのポイントを押さえさえすれば、完璧
なマリアージュを完成できます。
そのポイントは、フルーティーで甘味旨味のあるソース(牛丼
のつゆ、缶詰の焼鳥のたれ、オタフクソース、豚カツソースの
様な)とペアリングさせる事。
また、タンテュリエの赤ワインに限らず、果実味が豊かにある
赤ワインは玉子の黄身(黄身が流れ出す様な状態)と不思議と
密にリンクします。意外な組み合わせですが、驚く程、好相性
です。
玉子、特に黄身となぜ赤ワインは合うのか。玉子は生命を宿し、
これから生物になろうとしているもの。全てが凝縮し、そこに
詰まっています。その芳潤さ、芳醇さ、豊潤さがワインの中で
白よりも、ロゼよりも構成要素の多い赤ワインと対等に融合、
調和するから、と考えます。
理屈じゃありません。玉子(トロトロの黄身)は赤ワインとの
密接なリンクを見せてくれる。何度も何度も実践し、実感して
いるから間違いありません。今日紹介の赤ワインを是非、玉子
の料理とペアリングし、その素晴らしいマリアージュをあなた
自身で実感して下さい。
色が濃いのに優しい味わいで、トロトロの黄身とパーフェクト
・マリアージュする赤ワインがこちら!!
ソッガ・ペール・エ・フィス
2020セパージュ・ハイブリッド・ルージュ
飲み頃温度:15~18度。
<チャーミングなミディアムボディー>
・こちらの商品は本数制限なくお買い求め頂けます。
・このワインの価格は店内でご確認下さい。
・小布施ワイナリーの商品の取り置きはできません。
・小布施ワイナリーの商品は店内での販売のみです。