わざわざ出かけて行かなくても日本各地、いや世界各地の料理
を家庭で味わえる様になりました。インスタント食品を侮る事
なかれ。名店の味わいを再現する技術は最早、現地に行く必要
さえ感じないと言っても過言ではないでしょう。
現地で食べた事がないけれど、再現されたインスタント食品で
その味を知り、チャンスがあったら、現地に行って本物を食す。
その準備を名店監修のカップ麺で。
コピーが目に飛び込んで来ました。信州と言えば、信濃の国の
異称で、現在の長野県にあたります。長野県と言えば、小布施。
小布施と言えば、ワイナリー。至高のワイン・メーカーである
曽我彰彦さんが率いる小布施ワイナリーで、当店は群馬県内で
唯一の小布施ワイナリー特約店です。
そんな関係で長野県には何度も行っていましたが、すみません。
実は知りませんでした。テンホウの事を。今度、長野に行く時
は必ず寄ります。
信州のソウルフード、それはみんなのテンホウのスペシャリテ、
ちゃんぽん風ラーメンのテンホウメン。長野の人なら食べた事
がない人など絶対にいないとか。カップ麺ではありましたが、
テンホウメンを食べ、その味を感じ、確かにそうだろうと納得。
近年、時々出会いますが、凄まじいハイ・レヴェルの味わいを
備えたカップ麺。このカップ麺(テンホウメン)はその一つと
言えるでしょう。
ミネラリーさがシッカリ備わった骨太なボディーで、赤ワイン
に通じる要素も併せ持っている白ワイン。
白ワインなのに赤ワインを思わせる要素がある?だって赤では
なく、白ワインでしょう?と言われそうですが、実はその様な
白ワインがあるのです。
赤ワイン的な要素を持つには赤ワインの主要な構成要素である
タンニン(渋味成分)が不可欠です。タンニンはブドウの果皮
と種に含まれていて、それらが果汁に移り、その果汁がワイン
へと姿を変え、結果、タンニンを備えたワイン(赤、またロゼ
も)になります。
ワインの色はブドウの果皮の色です。赤ワイン(ロゼワインも)
を造るブドウは、果皮の色が深い紫色をした"黒ブドウ"と総称
されるブドウで、圧搾し、果汁に果皮を浸漬し、醸造する事で
赤ワインになります。また浸漬を少なくすればロゼワインにも
なります。
更に果皮を浸漬しなければ白ワインになるのですが、白ワイン
と言っても黒ブドウが原料ですので、ベージュの色調を感じる
外観をしていて、その外観があるからタンニンを感じます。
ですので、テンホウメンに合わせ楽しみたいタイプの白ワイン
(黒ブドウで造った白ワインを意味するBlanc de Noir/ブラン
・ドゥ・ノワと呼びます。)に該当します。しかし紹介したい
ワインはブラン・ドゥ・ノワではありません。
白ワインなのにタンニンを感じる可能性があるのは、黒ブドウ
より果皮の色が淡いブドウ、グリ・ブドウと言いますが、この
ブドウは黒ブドウ程でないにしてもタンニンを果皮に含有して
いて、十分に浸漬し造るとオレンジ色、サーモン・ピンク色を
したロゼワインになり、当然、浸漬しなければ白ワインを造れ、
黒ブドウで造った白ワイン程でないにしても、タンニンを感じ、
赤ワイン的要素のある白ワインとなります。
今日、紹介する白ワインはこちらのタイプで、グリ・ブドウの
代表格、ピノ・グリージョ(ピノ・グリ)/Pinot Grigio(Pinot
Gris)で造りました。黄金色に近い外観で、白い紙の上で注意
深く見ると明るい赤色の色調を感じます。それがタンニンの印
で、実際に味わうと明確にタンニン(赤ワインをイメージする)
を感じ取れます。
また、ピノ・グリージョで造られた白ワインは骨太な味わいを
創る十分なミネラリーさがあり、それがタンニンの存在と共に
味わいの深みを生みます。
の玉子は赤ワインのニュアンスある味わいと密接に結び付き、
更に骨太な味わいと赤ワインのニュアンスに相乗する果実味を
核としたリッチさは、ちゃんぽん風のトロリとした粘性のある
スープと密にリンクし、マリアージュを奏でます。
ラーメン(例えカップ麺であっても)もワインの立派な相棒に
なる。テンホウメンと今日紹介のピノ・グリージョの白ワイン
がそれを証明してくれるでしょう。是非、あなた自身の感覚を
駆使し、パーフェクト・マリアージュを実感してみて下さい。