2022年1月22日土曜日

スパイシーさにはスパイシーさを

ワインと料理の調和を図る時、いくつかのポイントがあります。
ワインと料理が持つ酸の質を同じにする。ワインと料理の色を
同系にする。ワインと料理が備えている香りの質を同系にする。
などです。
酸の質を同じにするとは、ワインに爽やかな酸味があるとする
なら、料理にも柑橘系の酸味がある。ワインにクリーミーさや
オイリーさを感じるなら、料理に乳系の旨味のある酸があると
言った具合です。参考までに前者の酸はリンゴ酸、後者の酸は
乳酸と言います。
色を同系にするとは、白ワインなら料理の見た目の色は白色、
黄色、緑色。ロゼワインなら料理の見た目の色はオレンジ色、
きつね色。赤ワインなら料理の見た目の色は赤色、茶色、黒色
と言った感じに。色がもたらす香味は連動していて、白ワイン
にはベリー果実の香味はありませんが、柑橘果実の香味はあり、
赤ワインにはベリー果実の香味がありますが、柑橘果実の香味
はない事からそれが判ります。
香りの質を同系にするとは、ワインに緑をイメージする香りが
あれば、料理の香りもそのイメージがある。ワインにスパイス
を思わせる香りがあるなら、料理にもスパイシーさがある様に
する事です。
先ずは、似た者同士で調和を図る。これが最も簡単で、基本と
なるワインと料理のペアリングです。
今、期間限定でHotto Mottoが2種類の中華あんかけ(ご飯か、
かた焼きそば)販売しています。1種類は野菜と豚肉で、もう
1種類は野菜と海鮮ですが、味付けが異なり、海鮮の方はXO醤
で味わいを整えてあり、スパイシーさを感じます。
この中華あんかけにワインを合わせ楽しんでしまおうと言う訳
で、それらを食べながら複数のワインをペアリングしました。
白や緑や赤も見えますが、個々を見ないで全体を見てみますと
あんの色でオレンジ系の外観です。と言う事は、ロゼワインが
恐らく相棒となるだろうと推測できます。
事実、白ワインでは味わいが調和しきれず、赤ワインでは渋味
成分(タンニン)が勝ってしまい役不足の状況が発生します。
もちろん、白でも中華あんかけに合う、赤でも中華あんかけに
合うワインがあります。しかし、先ずは基本に忠実にがベター
ですので、今日の所はロゼワインを2種類の中華あんかけの味
を考慮し、ピッタリと合わせてみましょう。
白菜、にんじん、ねぎ、玉ねぎ、きくらげに共通する大地の味
(苦味のアクセントあるミネラリーさ)、豚肉なのか、イカや
エビの海鮮なのかは確かにワインに影響を及ぼしますが、中華
あんかけの場合、あんの味わいが具材の味を包み込みますので
ワイン選びは、あんの味わいに着目すればOKです。
つまり、XO醤なのかそうでないのか、スパイシーさがあるのか
そうでないのかが相棒となるロゼワインをコールします。ロゼ
ワインを候補にした段階で、既に大地の味に相乗できますし、
豚肉、イカ、エビは比較的、白ワイン寄りの食材ですが、あん
のオブラートで白ワインから遠ざかりますので、ロゼワインの
チョイスでOKです。
以上の事から「Hotto Mottoの中華あんかけ」に合わせ楽しむ
と良い2種類のロゼワインがこちらです。



*Torresella 2020 Pinot Grigio Rose
 トッレゼッラ2020ピノ・グリージョ・ロゼ

相性の良い中華あんかけは、野菜と豚肉の中華あんかけ。
飲み頃温度:8~10度。
<軽く、まろやかな、やや辛口>
1,430円




軽度のタンニン(渋味、苦味の成分)がピュアな果実味の中に
優しく溶け込んでいます。口当たりの柔和さが中華あんの和み
ある味わいにマッチします。




*Sacred Hill 2020 Rose
 セイクリッド・ヒル2020ロゼ

相性の良い中華あんかけは、XO醤の海鮮中華あんかけ。
飲み頃温度:7度。
<軽く、爽やかな辛口>
1,430円


原料ブドウ由来のスパイシーさがジューシーな果実味と相乗し、
口中を満たします。それはホットなスパイシーさあるXO醤の
味わいが、中華あんのシットリとした口当たりにアクセントを
添えているのと同様と言え、結果、ワインとXO醤中華あんかけ
が密にリンクするのです。