インターナショナル・シェリー・ウィーク進行中 / International
Sherry Week underway.です。皆様、シェリーを楽しんでいます
か?
当店では常に複数の種類のシェリーを販売していますので、何も今
味わう事はないのですが、世界の各地で多くの人がこのイヴェント
に合わせシェリーを楽しんでいますからこの機会を逸する事なく、
時は今とばかりに是非、シェリーをお楽しみ頂きたいと思い、再び
シェリーの話題を取り上げます。
但し、熟成期間の長短などにより、様々な外観で、様々な味わいが
あり、その多様性はアルコール飲料の中で唯一無二と言え、醸造の
途中でワインを蒸留したグレープ・スピリッツを添加(酒精強化)
してある事が最大の特徴です。このタイプのワインをフォーティ-
ファイド・ワイン / Fortified Wine(酒精強化ワイン)と言います。
その多様なシェリーの中でも最も軽やかで、最もフレッシュ、最も
白ワイン(私達が日頃、楽しんでいる酒精を強化していないワイン
で、スティル・ワイン / Still Wineと言います。)に近いタイプの
Manzanilla / マンサニージャが日本の食卓で大活躍する事を知って
頂こうと思います。
生で食する事が多いと思います。そんな時にワインも一緒に楽しむ
でしょうが、なかなか心地の良いマリアージュを奏でてくれない、
口の中に生臭みが広がってしまう、と言った悩ましい状況が頻発し、
ワインと合わせたくないなと思ってしまうかもしれません。
それを解決してくれるワインがそうマンサニージャなのです。最近
海外でも生の魚を楽しめる環境になり、刺身や寿司を味わいつつ、
ワインを楽しむシーンを目にする様になりました。
事実、シェリーの故郷、アンダルシア地方のバルやレストランでも
生の魚(その多くがマグロやカツオ)を食べながらワインを飲んで
いるお客様がかなりいます。
そこでは当然、シェリーが生の魚の料理の相棒として活躍していて、
軽い味わいの料理なら軽快な酒質のシェリーを、深みのある味わい
の料理ならボディーの芳醇なシェリーを合わせています。
シェリーの素晴らしさは酒精を強化したその豊かな香味が、生の魚
の独特の香りを抑え、口中に生臭みを広げない事。更に、海に最も
近い所が産地のシェリー、マンサニージャはブドウ樹が潮風を受け
ながら育まれる為、実に磯のヒントが備わり、そのブドウで造った
マンサニージャには他のシェリーにはない磯のニュアンス(塩気)
を感じ、特に生の魚の料理と好相性です。
してみました。選んだのは「いかげそ」の握り寿司、「わかさぎ」
の素揚げ、そして定番メニューの中からも「水たこ」の握り寿司、
「生しらす」の軍艦寿司の4品です。「いかげそ」と「生しらす」
の寿司は、特にワインと完璧なコラボレーションさせるのが困難と
言え、そこは酒精強化ワインであるシェリーに任せるのがベターと
考えます。
それら4品とワインとのマリアージュを創造させる時、完璧に処理
しなければならないのは食材にある苦味をどうワインと融合させる
かです。「いかげそ」と「生しらす」はそれを特にシッカリと考慮
する必要があります。
しかし、シェリーの存在が頭の片隅にインプットされていさえする
なら、問題は既に解決済みです。マンサニージャの塩気ある味わい、
豊かなミネラリーさ、食材の苦味を包み込んでくれるシャープで、
骨太なボディーは「いかげそ」や「生しらす」には役不足なのでは
と言える程、それらを包み込んでくれます。
「苦味旨味のある生の魚介類」を食べる時、ワインを合わせ楽しむ
のなら、ファースト・チョイスはシェリー、マンサニージャ。これ
で決まりです。