2021年8月22日日曜日

業界用語でもなければ動物でもありません。

カバです。業界人ぽく、バカ(カバ)と言っているのでもないし、
ワインの話をするのですから、カバ(河馬)の事でもありません。
カバとはCavaの事で、スペインの特定のエリアで造られる伝統的
製法によるスパークリングワイン(Espumoso/エスプモーソ)の
事です。
伝統的製法によるスパークリングワインで最も有名なのは恐らく
Champagne/シャンパーニュと思いますが、カバは知名度で劣る
でしょうが、価格の優位性、抜群のコスト・パフォーマンスでは
シャンパーニュを遥かに上回り、それも天と地ほどの差があると
言っても過言ではありません。勿論、天がカバですが。
もう30年近く前の事ですが、この店を始める前、Kikkomanに
属し、首都圏のホテルやレストラン、そして複数のエア・ライン
への営業をしていた頃、シャンパーニュの価格が高騰し、コスト
が合わなくなった時、ホテルやレストランの宴会用ワインリスト
のシャンパーニュがカバに置き換わった事がありました。御三家
と言われたあのホテルでもそうでしたから、当時からカバの品質
の高さは紛れもない事実だったのです。
しかし残念ながらネーム・ヴァリューで劣るカバの市場への浸透
は一過性で、小売りベースで大旋風を巻き起こすには至らず、と
言った状況でした。
それから長い年月が流れ、カバの日本市場における存在感はどう
変化したかと言いますと、別世界にいるかの様に確固たる地位を
築いています。
千円台、家庭用ユースと言う条件を付けるのなら、カバは間違い
なくファースト・チョイスですし、実際に当店でもその様な傾向
が顕著です。
ただ、唯一の懸念はカバのその個性にあります。スペイン全体に
言える事ですが、インターナショナルなメジャー品種に頼らず、
スペインのオリジナリティーを追求し、自国の固有品種でワイン
造りをする事が極、当たり前で、当然、カバもその例にもれず、
Macabeo/マカベオと言う品種を主に数種類のブドウで造ります。
このマカベオ由来の個性が時に嫌味に感じてしまう事があるかも
しれません。
その個性は生の魚介類、特にタコ、イカ、エビ、カキなど、また
野菜やキノコ、特にウド、ホワイトアスパラ、エリンギ、エノキ
などと好相性の一方、柑橘果実の外皮のワックスぽさ、金属ぽい
ニュアンスの香りを感じさせ、少々、果実味にかける傾向があり
ます。その点で、カバは料理と上手くマリアージュさせて楽しむ
事がベターとなります。
ですがマカベオの個性が控えめの時、そのカバには白い花や白い
果肉の果実をイメージするエレガントな香味が広がり、口当たり
は柔らかく、スムースで優美さに満ちたものとなります。
今日、紹介するカバは真にそのタイプで、なかなかお目に掛かれ
ないスタイルです。そのエレガントさ故、ワインだけを楽しむ事
がベターですし、何かを食べながらこのカバを味わうのでしたら
素材の自然の甘味が生きた淡い味わいの料理や食べ物がベストな
パートナーとなります。



それを基に2種類のかまぼこにペアリングしてみました。たい、
のどくろをメインの食材として作ったかまぼこです。たいの方は
苦味が少なく、素材由来の甘味、旨味がシットリと広がります。
のどくろの方はたいのかまぼこより味わいが太く、心地良い苦味
のアクセントがあります。
マカベオの個性が明確に備わった所謂、スタンダードなカバなら
のどくろのかまぼこがベターですが、今日、紹介のエレガントな
スタイルのカバでしたら、たいのかまぼこがベストなチョイスと
なります。
他に合わせ楽しめる料理や食べ物なら「ホタテ貝のカルパッチョ、
オリーヴ・オイル&塩仕立て」、「丸大豆のざる豆腐を塩で」、
「キスの天ぷらを塩で」、「甘鯛の白ワイン蒸し、そして椀物」、
「鶏モモ肉の塩焼き」などがお勧めです。



そんなエレガントな酒質のカバがこちら!!
*Marques de Caceres Cava Brut
 マルケス・デ・カセレス、カバ・ブルット

飲み頃温度:8~10度。
<軽く、まろやかな、やや辛口>
1,760円
ある様でなかなかないスタイルのカバをお楽しみ下さい。
Cava:vaですから「バ」ではなく、本来は「ヴァ」なのですが、
スペイン語ではvをヴと発音しませんので、それに倣いカヴァで
なく、カバと表記しました。




パーフェクトなコンディションのスパークリングワインは抜栓後
コルクは直ぐに上の画像の様に下部が広がります。それには瓶を
立てて保管してある必要があります。
当店で販売しているスパークリングワインは当店に到着後、一切
瓶を横向きに寝かせません。ワインをコルクに接触させない事で
コルクが弾力性を失わず、瓶に密に接し続ける為、ガス圧、香り、
味わいが良好に保たれます。