寿司にワインを合わせ、正しくはある特定のワインに合わせて
寿司を選び、両者の調和を楽しむ事を初めて経験したのはもう
32年前の事です。
今はワインと寿司のマリアージュのさせ方に精通していますが、
当時は寿司にワインが合うなんてと驚きの連続でした。中でも
穴子の握り(詰めタレなし)に、ある特定のタイプのワインを
合わせ、両者が奏でるマリアージュに最も感動し、時々、その
マリアージュを堪能する事が一番のお気に入りでした。
そんな感動を思い出す「穴子の握りとスパークリングワインの
マリアージュ」を最近、経験しました。その素晴らしい至福の
マリアージュを皆様にも経験して頂きたく、「上穴子の握り@
はま寿司(期間限定メニュー)」に合うスパークリングワイン
を紹介致します。
そのスパークリングワインは「ブラン・ドゥ・ノワ/Blanc de
Noir」と言うジャンルに属し、果皮が深い紫色のブドウ(大別
すると黒ブドウ)で造った白ワインになります。黒ブドウから
白ワイン、黒(Noir)からの(de)白(Blanc)で、ブラン・
ドゥ・ノワです。
ワインの色は果皮の色が移行した結果のもので、果汁に果皮を
浸漬せずワイン造りを行えば黒ブドウからでも白ワインが誕生
する訳です。そうは言ってもブドウを圧搾する時に果汁に果皮
の色素が僅かに染み出しますのでベージュの色調やロゼワイン
の色調を感じるワインになる事が多くなります。
その色調を感じる事が、今日のテーマ「白っぽいから黒っぽい
...」の決め手になり、白ワインではあるものの、白ブドウから
の白ワインでは対応し切れない料理との調和が実現します。
ブラン・ドゥ・ノワは外観も味わいの多様です。それは果皮の
色素がどれ程、ワインへと移行したかに依りますが、何れもが
軽い渋味あるコクを感じ、酸味が穏やかで、粘性あるふくらみ
を感じる傾向があります。
そのコクが穴子の脂肪分と、酸味の穏やかさ=柔和さと粘性を
感じる口当たりが穴子の味わいの広がりと相乗します。通常、
穴子は既に調理されていて味わいが十分に備わっていますから
そのままブラン・ドゥ・ブランとペアリングした方がベターで、
ワサビは添えても少々にする事をお勧めします。ワサビの明確
過ぎる主張はブラン・ドゥ・ブランとの調和の阻害要因になり
ますので。
まん防進行中で多くの店、施設が時短営業や休業中です。変異
ウィルスの蔓延も深刻化する中、不特定多数の人と同じ空間で
長い時間を共有しない方が良い今、是非とも、料理をTo goし、
それに合わせ楽しむべき当店が紹介するワインをマリアージュ
させ、Stay@Homeを充実させて下さい。
「上穴子の握り@はま寿司」にペアリングさせ、マリアージュ
を創り出したい3種類のブラン・ドゥ・ブランがこちら!!
飲み頃温度:8~10度。
<軽く、まろやかな、やや辛口>
3,300円
黒ブドウ(Pinot Noir/ピノ・ノワ)を主体に造ったCremant/
クレマン(ガス圧が優しく感じる発泡性ワイン)です。ロゼ
に限りなく近い色調をしています。
ラッツェンベルガー、ピノ・ブリュット
飲み頃温度:8~10度。
<軽く、まろやかな、やや辛口>
4,400円
黒ブドウ(ピノ・ノワ)で造ったSekt/ゼクト(伝統的製法で
造ったドイツ産発泡性ワイン)です。淡いベージュのトーンを
感じる外観をしています。
セルジュ・マチュ2010ブリュット
飲み頃温度:11~14度。
<コクのある辛口>
11,000円
黒ブドウ(ピノ・ノワ)で造ったChampagne/シャンパーニュ
です。黄金色の外観にほのかに赤みを感じる色調があります。
(非発泡性ワインを瓶内で発酵させ、発泡性ワインにする)で
造られ、瓶内での長い熟成を経て商品化されています。
この製法で造られたスパークリングワインは、ブリオッシュや
トースト、表面をこんがりときつね色に焼いた食材などを連想
させる香りを備えています。そのニュアンスが穴子の焼き目に
感じる香りとリンクし、味わいと共に両者を強く結び付けます。