から4月上旬は小布施ワイナリーが密かに造る「幻の」と形容
しても良いSakeの出荷時期になるからです。
ワイナリーが日本酒?と驚くと思いますが、アルコール業界の
戦前戦後の歴史を知る方ならば、驚く事ではありません。当時
アルコール飲料は快楽を人々にもたらし、国家総動員で戦争に
向う流れに反してしまう為、製造を禁止されていました。
但し、果実酒(現在のワイン)だけは製造を許されていました。
果実酒に含まれる酒石酸は他の物質と化合し、冷却された際に
固形化し、酒石と呼ばれる物質となります。その酒石は軍需品
の部品に転用可能だった為、国家の役に立つと言う事で果実酒
造りが行われ、多くの酒蔵が果実酒造りに転換しました。
しかし、酒石を取り出す事だけが目的でしたので、飲める様な
レヴェルではなく、終戦と共に大部分の果実酒製造者が廃業か
日本酒造りに回帰しました。
小布施ワイナリーは造っていた果実酒が飲用に耐えうる高品質
であった事から果実酒造りを継続したと推測します。しかし、
近年まで小布施ワイナリーの会社名は小布施酒造でしたから、
その点も含めて、彼らが日本酒造りを継続していて、それらを
市販する決断をし、私達が味わう機会が訪れ、今に至っている
事は極めて自然な事です。
さあ、ワインの話です。数年前に大決断をし、品質向上の為に
減産をした小布施ワイナリー。その結果、商品によっては極、
少量のみですので、案内するのはある程度、まとまった数量が
入荷したワインのみになりますが、案内していない商品もあり
ますので、ご来店の際にお尋ね下さい。
と言うフランスのボルドー地方が故郷のブドウを主体に、複数
のブドウを使い造ってあります。
その鮮やかな色調の外観は若々しさを明確に感じさせ、実際に
味わってみるとフレッシュさを際立たせる酸味の広がりがあり、
それは赤い小粒の果実を食した時の感覚の様です。
テイスティング・コメントに「今は早めの抜栓が必要で、数年
のkeepで大きく向上しそう。」と記したのですが、後でバック
・ラヴェルをチェックしてみた所、曽我さんも同様のコメント
「瓶熟成を5年程望みますが、待てない場合はお飲みになる1日
前に抜栓し当日はカラフに移してからお飲みいただくと...」と
していて、至高のワイン・メーカーと同じセンスで安心したり
もしています。
させ、酒質を和ませてあげ、一緒に楽しむ料理はトマトソース
を添えた酸味のある料理が良いでしょう。
また、このワインの主体になっているプティ・ヴェルドに由来
するスパイシーなニュアンスに合わせ、スパイシーさと酸味の
共存する料理や食べ物と合わせ楽しむ事も可能です。
2021年、初案内の小布施ワイナリーの赤ワイン、シッカリと
エアレーションし、お勧めの料理でその味わいを和ませつつ、
お楽しみ下さい。
*Tout Grains des Cepages Europeens 2019
トゥー・グラン・デ・セパージュ・ウーロピエン
飲み頃温度:15~18度。
<フレッシュなミディアムボディー>
・ハンバーグ、トマトソースを添えて
・ペパロニのピッツァ
・ウスターソースで食す揚げ物
などと一緒にお楽しみ下さい。
どちらも期間限定の商品ですので、速攻でお試し下さい。