新年はこのワインから

新年の始まりですから、嫌な2020年を消去したいから、明るい
未来を期待して気分を盛り上げたいから、本年のWINE HOUSE
のアピールはこのワインでスタートです。

そのワインはおとぎ話に出て来る様な可愛らしい街、ドイツを
雄大に流れるライン河の南岸に位置するBacharach/バハラッハ
を代表する、いや、ドイツを代表する造り手のひとつと言える
Ratzenberger/ラッツェンベルガーが造り上げたSekt/ゼクト
（ドイツ語でスパークリングワインの意）です。果皮が深い紫
の黒ブドウのPinot Noir/ピノ・ノワで造りました。

ピノ・ノワで造ったと言うと、ほとんどの方がそのゼクトは赤
と思うでしょうが、実は赤ワインではなく白ワインで、その様
なワインはフランス語ではありますが、通常、Blanc de Noir/
ブラン・ドゥ・ノワ（ノワ：黒からのブラン：白）と呼ばれて
います。
黒ブドウで造った白ワインは、ベージュの色調を感じる外観を
している事が多く、その味わいは柔らかく、穏やかで、軽度の
渋味（タンニン）のアクセントが味わいの深みを創っています。
また、苺ミルクを思わせる可愛らしい香りも感じ、とても優美
な酒質になる傾向があります。

実際、今日紹介のゼクトもその様相を呈し、真にブラン・ドゥ
・ノワの王道と言えます。白桃のコンポートを思わせる香りも
あり、またハニー＆フローラルさに満ち、そこにメントールを
思わせる爽やかさが加わります。清々しく、果実味のピュアさ
が実にチャーミングなワインに仕上がっています。
味わいには軽やかなタンニンの存在感がシッカリとあり、炭酸
ガスのアタックはとてもクリーミーで、落ち着いた品格があり
ます。
美しい白いイメージの中に甘味、酸味、苦味、渋味の4大要素
がバランス良く配され、シルキーな口当たりで和みのある主張
を広げつつ、身体に染み入る様に味わいが消えて行きます。
どうですか？味わってみたくなりましたか？その様なタイプの
ゼクトには素材の持つ優しい甘味を生かした料理がパートナー
となり、「ホタテ貝のカルパッチョ、オリーヴ・オイル＆塩で」
「キスの天ぷらを天つゆで」この様な料理と一緒に楽しめます。

＊Ratzenberger 2015 Pinot Brut
　ラッツェンベルガー2015ピノ・ブリュット
飲み頃温度：8～10度。
＜軽く、まろやかな、やや辛口＞
4,000円

画像のコルクを見て下さい。裾が見事に広がっています。これは
コルクが瓶と密に接した事を意味し、ガス圧の状態やフレッシュ
さがシッカリと保たれていると推測できます。事実、このゼクト
はパーフェクトなコンディションで、素晴らしさに心を打たれ、
魅了されます。
スパークリングは瓶を寝かせて保管してはいけません。コルクが
ワインと接しているとワインの酸味がコルクの弾力性を失わせて
しまいます。
当店ではスパークリングワインを立てて店に並べています。これ
もワインを大切にしている証明です。ワイン専門店は全て理由が
あって、ワインの取り扱い方を決めています。

画像の様な淡いピンク色の料理もこのゼクトの最高の相棒です。
シットリとした口当たりの料理とシルキーな口当りのゼクトの
ハーモニーを心行くまでご堪能ください。