身近にあるのにその正体が明らかでない、神秘に満ちたものがあります。
ワイン醸造用ブドウにもそれがあって、極身近には「甲州」と言う日本
のオリジナルとされるブドウがそれに該当していました。
数年前から少しずつ謎が解明され始め、かなりの事が判って来ましたが
それでも尚、全容解明には至っていません。いずれ解明されるであろう
その残りの部分には驚きの真実があったりなどと想像するとワクワク感
マックスで、解明の瞬間が待ち遠しいものです。
当店が熱視線を浴びせている中華人民共和国のワインを生み出すブドウ
にも神秘的なブドウがあり、そのブドウは中国オリジナルとされている
のですが、果たしてどうでしょうか。
(Gernischtの読み方はいくつかあり、ここでは便宜上、中国国内で一番
多く発音されている呼び名を採用します。)で、かつてはCarmenere/
カルムネーレの同属亜種ではないかとされ、出来上がるワインの特徴は
多くの場合、Cabernet Franc/カベルネ・フランの赤ワインをイメージ
する酒質をしています。
事実、カルムネーレの赤ワインとカベルネ・フランの赤ワインには多く
の共通項があり、カベルネ・ゲルニッシュはカルムネーレで、カベルネ
・フランの様な赤ワインになると言う事で落ち着きそうでしたが、それ
も今ではほぼ否定されています。
ただ、近年の研究ではCabernet Sauvignon/カベルネ・ソーヴィニョン
かカベルネ・フランが片親で、もう片方はヨーロッパが原産のワイン用
高貴品種(ヴィティス・ヴィニフェラと言います。)である説が非常に
有力となっています。
シンジャン(新疆ウイグル自治区)で、そこには少雨の乾燥した大地が
広がり、病害虫ほぼフリーの恵まれた自然環境の中で育まれています。
中国の農作物と言うと農薬まみれで危険との認識がこの日本では定説に
なっていますが、ワイン用ブドウに関してはそれが全く当てはまらなく、
恐らく世界一ナチュラルなブドウ栽培が可能な地がワイン産地になって
いると言えます。
とにかく、ブドウ栽培期に雨が降らない。これは日照が豊富で、湿度が
低く、ブドウの樹を犯す病気や害虫の発生がない事を意味します。結果
農薬などの化学物質を使う必要がなく、健全で良質のブドウが育まれ、
シッカリ熟した状態で収穫できるのです。
春雨、梅雨、ゲリラ豪雨、秋雨、台風による高湿度、肥沃で保水能力の
高い大地で高湿度の日本より遥かに恵まれた大地がワイン用ブドウの為
に天から与えられている。それが中華人民共和国なのです。
ワインは畑でできる。そう言われます。ワインはブドウだけで造ります
から、その表現は当然ですし、良質なブドウだけが高品質のワインへと
姿を変えるのです。だから、中国のワインのレヴェルの高さは半端なく、
ボルドータイプの赤ワインは世界のトップに君臨する凄さがあります。
中国のボルドータイプの赤ワインがあれば、フランスのボルドーの赤は
用なしと言っても過言ではありません。
今日紹介する赤ワインはそのボルドータイプではなく、中国オリジナル
とされるカベルネ・ゲルニッシェの赤ワインです。当店では既に1種類
のカベルネ・ゲルニッシェの赤ワインを販売していますが、新規取扱い
の商品は同じワイナリーの上位商品になります。熟成感があり、地中海
沿岸部で誕生する赤ワインのヒント(乾燥した石灰岩の大地に茂る低木、
ガリーグと言いますが、に囲まれた畑で育まれたブドウで造ったワイン
の様な)があり、日本らしいスパイスを効かせた料理との相性に優れた
ワインです。
らしさがあり、春菊、ほうれん草、長ネギ等の緑色の香味野菜を使った
料理とも好相性です。
前回、前々回のブログでも言及しましたが、ワインはそのままの姿とは
異なる内包されていた本質を料理との融合により明らかにします。その
変身する事実もまたワインの素晴らしさです。
最も中国産ワインらしいとされるカベルネ・ゲルニッシェの赤ワインを
ベストマッチな料理とマリアージュさせて内包されていた素晴らしさを
是非、引き出し、実感してみて下さい。