2020年8月2日日曜日

このワインならブルーベリーソースに

日本の料理には果実のソースで食すものは皆無と言えるでしょうが、
世界の料理にはオレンジのソース、クランベリーのソース、ブルー
ベリーのソースなどで食す料理が色々あります。
そんな中で、30年くらい前になりますが、「鴨肉のソテー・ブルー
ベリーソース添え」と言う料理を初めて目にした時、肉をフルーツ
のソースで食べるなんてどう言う感覚なんだ(正直な所、味覚音痴
が考えた奇抜な料理に違いない)と疑いの目を向けたものでした。
その場はブフェ料理の立食宴会でしたので、奇抜過ぎるその料理を
初めは口にしなかったのですが、食べている人を見るとあまりにも
美味そうに食べるので、勇気を出して食べてみました。
当時、そんな風な料理を食べた事などありませんでしたから、それ
を口にしても、料理の味を、どの様に感じて、どの様に表現して、
どの様に感想を述べれば良いのかさえ判りませんでした。言える事
はこんな風味の料理を食べた事なんてないよ。くらいだった筈です。
その頃は会社勤めをしていて、業務用販売部に所属し、エアライン、
ホテル、レストランへの営業(主にワイン)をしていました。その
為、仕事絡みで様々な料理を味わう機会に恵まれ、七面鳥のソテー
・クランベリーソース添え、鴨のロースト・オレンジソースなども
知り、果実のソースが添えられた料理に違和感がなくなりました。
今では肉汁を煮詰めたソースより、果実のソースの方が良いかなと
思っていたりもします。
生ハムとメロン、生ハムとイチジクは塩気と甘味のバッティングで
両要素を打ち消し合い、お互いの味を相乗させると言う実は高度な
テクニックなのですが、個人的には生ハムとブルーベリーの実を口
に同時に入れ、味わいをミックスさせる。これを結構、気に入って
います。
群馬県太田市にワイン専門店WINE HOUSEを構えて今年で23年目。
毎日毎日欠かさずワインのテイスティングをし、能力の維持、店で
販売する驚きの品質のワインの発掘に注力しています。
ワインと言うアルコール飲料は興味深いもので、ブドウだけで造る
のに、花の香りがしたり、ハーブの香りがしたり、ブドウではない
果実の香りがしたりします。
鮮やかな紫色のエッジ(グラスに注がれたワインの一番外側の縁)
をし、濃い色調の赤ワインにはかなりの割合でブルーベリー(生の
実であったり、コンポートであったり、ジャムであったりと色々)
を思わせる香りを感じます。
そんな時、鴨のロースト・ブルーベリーソース添えに合わせてその
ワインを楽しみたくなります。あるいはそのワインをブルーベリー
ソースに見立てて、鴨のローストにマリアージュさせたり、生の実
に見立てて、生ハムにマリアージュさせたりしたくなります。
そんな風に思える赤ワインがイタリアからやって来ました。とても
珍しいワインです。Lacrima/ラクリマと言うブドウで造られ、真に
紫色のイメージを持つワインです。
このラクリマは、イタリア中部、東側(アドリア海側)のMarche/
マルケ州の特産で、Morrod’Alba/モッロ・ダルバ村にしかないと
言っても過言ではない超ローカル品種です。
超ローカルなブドウ、ラクリマで造られた紫色のイメージの酒質を
している赤ワインがこちら!!
*Luigi Giusti 17 Lacrima di Morro d'Alba
ルイジ・ジュスティ17ラクリマ・ディ・モッロ・ダルバ
飲み頃温度:15~18度。
<爽やかなミディアムボディー>
2,500円
外観:とても深い色調です。ワインのエッジには明確な紫色があり、
濃い色調と紫色のエッジからブルーベリーを思わせる要素がワイン
にシッカリあると予想させます。
香り:ブルーベリーそのものです。リキュール様の華やかさがあり
インクを思わせるパフュームさもあります。木樽熟成由来の香り、
モカコーヒーを思わせる芳醇さがあります。ワインが空気に触れる
とスパイシーさも現れ、更にパフュームさが増大します。
味わい:ミネラリーさがリッチな果実味にメリハリを添えます。生
のブルーベリーの実を食べた時の感覚です。
酸度は高めで、ミネラリーがシッカリ備わり、タンニン(渋味)は
中くらいで全体にフレッシュさを感じます。紫色の明確なイメージ
の中にスパイシーさと動物肉、血合いのヒントがあります。
華やかさと野趣さが共存するこのワインは、ブルーベリーソースと
鴨肉のソテーそのものの様と言っても過言ありません。
超レア、超ローカル品種で造られた個性豊かで、超ユニークなこの
赤ワインをブルーベリーに見立てて、あなたの食卓で大活躍させて
下さい。



このワインを口に含み、目を閉じれば、上の画像の様な料理が頭に
ハッキリと思い浮かびます。こんな料理と共にこのワインを味わう
なら、至福のマリアージュのひと時が間違いなく訪れるでしょう。


ワインなのに飲むブルーベリー?そんな赤ワインがこちらになります。