2020年6月10日水曜日

Viorica/ヴィオリカ?聞いた事ないよ。

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マスクを正しくしていない方は入店できません。ご注意下さい。

*密を避ける為、店内に先客がいる場合はそのお客様の買い物の終了、
退店まで、店の外でお待ち下さい。

「新型コロナウイルス(COVID-19)に感染しない。感染させない。」

その為に当店はできる限りの事を確実にして行きます。


ワイン業界に既に31年いますので、今、知らないブドウ品種に出会う事
はほぼありません。でも、数年に一度くらいの割合で、そんなブドウが
あったんだ。と驚かされる事があるのも事実です。
Viorica/ヴィオリカ、あなたはこのブドウを知っていますか?正直な所、
それに関しては全く知りませんでした。所有している専門書にさえ記載
がないのですから、相当なレア品種です。
WEBで検索しても、モルドヴァ共和国の限られた産地で栽培され、少量
の白ワインになり、やや甘口から辛口までヴァラエティーに富み、香り
はマスカットを思わせるアロマが豊かにあり、味わいはミネラリーさが
リッチに広がる。と言う程度の説明しかありません。
国際メジャー品種なら当然ですが、例えローカル品種であったとしても
栽培量が多く、それからワイン造りが行われていれば、その品種として
のワインの典型が知られています。
しかし、生産量の少ない地場品種で造られるワインとなると、何を基準
に、これがその典型的スタイルだと明確に語れるまでのテイスティング
経験がない訳で、よって、自分が経験した(テイスティングした)事を
語る以外に方法がありません。つまり「このワインはこうでした。」と。
その為、ヴィオリカについては唯一のテイスティング経験を基準に説明
したいと思います。


テイスティングしたワインがこちら!!
*Fiori 2018 Moldova Viorica
フィオーリ2018モルドヴァ、ヴィオリカ
外観:輝きがとても大きく、酸味が豊かなワインと予想できます。色合い
は濃いめで、色調は緑色を帯びた黄色です。グラスの内側を流れる落ちる
ワインの速度は遅く、粘性があり、アルコール度数が高い事を意味します。
内容の充実した酒質ではないかと思われます。
香り:ルビーグレープフルーツ、黄桃、マンゴーを思わせるトロピカルな
ニュアンスのある果実味に富んでいます。そして生の果実と言うよりも、
ジュースやコンポートにした時の感覚と言えます。
熟度の高いブドウで造った時にありがちなのですが、ローストしていない
ナッツのヒント(このワインにはカシューナッツを思わせる)があります。
ワインが空気に触れると、オレンジ色の花(キンモクセイを連想させる)
のヒントが現れます。
更に、フリンティーさを感じ、このワインが豊かなミネラリーさある酒質
であると予想させます。
味わい:リッチなヴォリューム感を先ず感じます。粘性の高いオイリーさ
がその後に広がり、その広がりの中にシャープなミネラリーさが存在して
います。ファーストアタックでこのアルコール度数は13,5%と予想。
酸度は高く、ミネラリーさは豊か、苦味のアクセントがあり、酒質の骨太
さは、地中海沿岸地方や大陸性気候の内陸の地(陽光豊かな)で育まれた
ブドウで造ったワインの典型的スタイルです。
それらのハーモニーは超硬水のミネラル・ウォーターのニュアンスとなり
味わいの中盤を構成、同時にフリンティーさも広がり、このブドウが十分
な熟成を良好にし、ワインへと変身した事を証明しています。
そして、このワインのユニークな特徴は香り(アロマ)が非常に高いのに
風味に甘いニュアンスが現れず、一方で力強い骨太さとシャープさの主張
が厳しくなり過ぎるのをアロマが和らげている事です。
Gewurztraminer/ゲヴュルツトラミネルのワインに類似する要素があるの
ですが、この品種のワインと決定的に相違するのは全体に甘いニュアンス
が現れない。それがフィオーリ2018ヴィオリカと言えます。
このワインをテイスティングした時、通常、ワインをテイスティングした
時に必ず行っていますが、アロマが高いけれど、甘いニュアンスの味わい
がなく、骨太さ、シャープさに支えられた味わいの広がりがありますので
生の魚介類、特に貝類、タコ、イカ、カニと相性が良ですから、それらを
使った料理でお互いを引き立て合いたいと。
更に、ナッツのヒントがありますので、鶏肉(この肉は火が入るとナッツ
の香りを、特に皮の部分が、必ず備えます。)の料理のパートナーとして
ベストだと。
そして、ワインの豊かなミネラリーさは、料理にもミネラリーさを求める
ので、料理の味付けは塩で、また、フルーツのアロマがシッカリあります
から、ただ単に塩だけより、レモン、いや、ゆず(の方がベター)の風味
を添えてあげるとベスト・マッチになると言った具合に、料理との相性を

思考しました。
完結型のワイン(抜群の熟成感で香味のバランスがパーフェクト、個性が
あり過ぎて料理とマッチし難い、など理由は色々ありますが、ワインだけ
を味わった方が良い、あるいは、料理と合わせる事でワインのバランスが
崩れる可能性のある)ならば、ワインの事だけを考えれば良いのですが、
多くの場合、ワインは料理を引き立て、料理はワインを引き立てる関係に
あります。
ですので、ワインの機嫌を損ねない相性の良い料理をペアリングする事で、
ワインの香り、味わいを一層アップし、そのマリアージュを楽しんで頂き
たい。そう思い、お客様が当店でワインを買う際には、必ず料理も話題に
しています。


ヴィオリカ、この品種のこの白ワインは「ゆず塩コショウ」とリンクする
要素を持っています。既にお勧めした食材で作る料理をゆず塩コショウで
味を調え、フィオーリ2018ヴィオリカと共に味わい尽くして下さい。
*Fiori 2018 Viorica
飲み頃温度:11~14度。
<コクのある辛口>
1,500円