2020年2月18日火曜日

すき焼き食材自給率100%です群馬県は

皆様にとって、群馬県の名物、群馬県の有名なもの、群馬県らしいものと
言ったら何ですか?県民とそうでない方とではかなり違うのではと思って

いますが、名物なら「焼きまんじゅう」、「ソースかつ丼」、「もんじ焼」
「キャベツ」、「下仁田ネギ」、「大和芋」、有名なものなら「ペヤング
・ソース焼きそば」、「SUBARU」、「温泉」、「スキー場」、「宇宙へ
行った向井千秋さん」、らしいものなら「からっ風」などでしょうか。
近年、群馬県は日本人が大好きなあの料理で名を上げようと試みています。
その料理は「すき焼き」です。牛肉、しらたき、長ネギ、シイタケ、春菊、
豆腐、卵など、すき焼きに使う全ての食材を群馬県産で揃えられるとし、
「すき焼き食材自給率100%の群馬県」として県外にアピールしています。
日本には伝統的で家庭的、そしてしばしば食べられる料理がいくつもあり
ますが、その中でもワインにとても良くマリアージュするのが「すき焼き」
です。
すき焼きは色々な食材が一つの鍋に入り、それらを醤油ベースの割り下が
つなぎ合わせている料理です。使う肉も常に牛肉とは限りません。鴨肉、
豚肉、鶏肉の時もあるでしょう。
肉が異なれば風味が当然、異なりますが、全ての食材の旨味を閉じ込め、
程良く詰まった割り下の風味が、ワインをすき焼きにマリアージュさせる
最大の功労者です。
割り下は誰もが知っている様に醤油の存在が格となっています。醤油は和
のものの代表格ですし、ワインは洋のものの代表格ですが、醤油は地球上
でワインに合う調味料のひとつ、いや最も寄り添う調味料と言えます。
それは何故か?醤油には油分がある事。醤油には乳酸がある事。醤油には
ソトロンがある事。これらがワインにも含まれているからです。ではその
ワインは白ワインでしょうか?ロゼワインでしょうか?赤ワインでしょう
か?


答えは赤ワインです。正確にはごく一部の白ワインや一部のロゼワインも
ですが...。ワインに油分を感じる。これは木樽で発酵や熟成を行うと樽材
に含まれている成分がワインへと移行し、それがオイリーな粘性となって
感じられます。
ワインに乳酸がある。ワインの原料はブドウです。果実にはリンゴ酸が主
な成分として含まれ、それがワインへと移行します。ですからワインには
リンゴ酸が含まれている筈ですが、造りの途中、乳酸菌の働きでリンゴ酸
を乳酸に転換(ワインの専門用語でマロラクティック発酵と言います。)
するほぼ全ての赤ワイン、そしてごく一部の白ワインと一部のロゼワイン
はリンゴ酸ではなく、乳酸を含有しています。
ワインにソトロンがある。ソトロンと言う成分は熟成、経時変化によって
既存の成分が重合する事で生まれます。長い熟成を経た結果、含有する事
になる成分ですので、白ワインよりもロゼワイン、それらよりも長い熟成
を経てから商品化される、飲まれる赤ワインに多く含有されています。
醤油を始め、ソース、そしてソトロンの究極の形であるカレー、これらに
赤ワインが実に良く合うのはソトロンとソトロンの融合が生じ、お互いが
リンクし合うからなのです。
またソトロンは煮詰まる事でも重合を深めますので、醤油よりも割り下の
方がよりソトロンを感じ、赤ワインとの相性がより増します。因みに濃口
醤油よりも、再仕込み醤油やたまり醤油の方がソトロンをより明確に感じ、
刺身を食べながら赤ワインを飲むのなら、再仕込みやたまりで刺身に風味
を添えてあげるとより良いマリアージュを楽しめます。
すき焼きが赤ワインと素晴らしいハーモニーを奏でる事はご理解頂けたと
思います。ここで更に一歩。春菊を入れるのか、入れないのか。調理した
具材に溶いた玉子を付けるのか、付けないのか。これでも合わせるワイン
が変わります。どの場合も赤ワインでOKなのですが、春菊の風味がある
時にはワインに緑色の野菜や植物を思わせる香りがある方がベターです。
Cabernet Sauvignon/カベルネ・ソーヴィニョンのワイン、Grenache
(Garnacha、Cannonau)/グルナッシュ(ガルナッチャ、カンノナウ)
のワインがその様なタイプになります。
また、溶いた玉子を調理した具材にシッカリつけて食べるのなら、濃厚
な果実味のある赤ワインがベストな選択です。解説がし難い上、不思議
な事なのですが、玉子とフルーティーな赤ワインはとても良く調和し、
手の込んだ玉子料理がなくても、半熟のゆで卵、出汁の効いた玉子焼き
があれば赤ワインとのマッチングを楽しめます。
今日は十分に脂肪分のある牛肉、旨味たっぷりの下仁田ネギ、また春菊
も入れ、甘めの割り下で調理し、溶いた玉子をしっかりと具材に付けて
食べる時に大活躍する赤ワインを紹介します。
果実味が凝縮し、渋味成分(タンニン)がどっしりと備わり、木樽由来の
粘性ある口当たりがあり、余韻に深い緑色の野菜や植物を思わせる香り
が残ります。このタイプの赤ワインならその様な感じのすき焼きに完璧
と言えるでしょう。
暖冬とは言え、夜は結構、冷え込みます。すき焼き鍋を囲みながら至福
のマリアージュでエネルギーを補給し、COVID-19に備えて下さい。


春菊入り、具材に溶き玉子を付ける時に大活躍する赤ワインがこちら!!
*Anima 2016 Dearu Mare Cabernet Sauvignon (Romania)
 アニマ2016デアル・マーレ、カベルネ・ソーヴィニョン
飲み頃温度:19度。
<まろやかなフルボディー)
3,500円
デアル・マーレはルーマニアの銘醸ワイン産地のひとつです。また、以下
は群馬県からのお知らせです。
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群馬県は、国内で初めてEU(欧州連合)に輸出が開始された「上州和牛」
生産量全国第1位の「こんにゃく」、全国的に知名度の高い「下仁田ネギ」
生産量上位の「生しいたけ」や「しゅんぎく」など、「すき焼き」に必要な
すべての食材を県産でそろえることができる「すき焼き自給率100%」の
県です。

群馬県が誇る「究極のおもてなし料理=すき焼き」を全国、そして海外にも
発信していくため、「群馬県すき焼きプロジェクト」に取り組んできました。

現在、当プロジェクトは農政部ぐんまブランド推進課の「ぐんま・すき焼き
アクション」を中心に事業展開しています。
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