2019年12月6日金曜日

世界ふしぎ発見登場ワインが日本に来ていました。

先週11月30日(土)放送のTBS世界ふしぎ発見第1535回「歴史
と文化を生んだ川・ガロンヌ 世界遺産を巡る旅」を見ましたか。
フランスの歴史好きの方にも、フランスの文化好きの方にも、又
フランスワイン好きの方にも、とても興味深い内容の放送でした。
その番組内で登場したChateau/シャトー(ワイナリー)のワイン
が日本にやって来ていました。しかも取引のある輸入元の商品と
して。


それを知ったからには店で販売しなくてはと思い、早速、仕入れ
ました。このシャトーのワインは今までテイスティングした事が
なく、未知の領域のワインでしたので、仲の良いソムリエ仲間と
その香味をチェックしてみました。


そのシャトーはボルドー地方のSaint Emilion/サンテミリオンに
あり、この地は保湿性が高めの粘土質土壌で地温が低めである為、
ボルドー地方の最も主要なブドウであるCabernet Sauvignon/
カベルネ・ソーヴィニョンではなく、Merlot/メルロと言う品種
を主体にカベルネ・ソーヴィニョン主体の赤ワインとは相違する
性格の赤ワインを生み出します。
サンテミリオンは東から流れて来るDordogne/ドルドーニュ河
の作用で粘土主体の土壌になっていて、この土壌は地熱を蓄え
難く、比較的高い温度を好むカベルネ・ソーヴィニョンよりも
多様な対応力のあるメルロの方が栽培に向いています。その為、
サンテミリオンはメルロ主体、あるいはメルロ単一の赤ワイン
なのです。
上の画像で赤い丸のエリアがサンテミリオン。赤い矢印の下を
ドルドーニュ河が流れています。


こちらが番組内で登場したシャトーの赤ワイン、Chateau Coutet
/シャトー・クーテットです。メルロを主体にBouchet/ブーシェ
(Cabernet Franc/カベルネ・フランのこの地域でのローカル名)
カベルネ・ソーヴィニョン、Prayssac/プレイサック(Malbec/
マルベックのこの地域でのローカル名)の4品種で造られています。



数が多いとその個性が明確に、数が少ないとその個性は控えめに
となりますが、数が少なくてもハッキリとした主張を持つものは
その個性を前面に押し出します。パレットの上の白い絵の具に赤
の絵の具を少し入れただけなのに白でなくなってしまう様に。
カベルネ・ソーヴィニョンは個性を強く主張しますので、たった
3%の含有でもこの赤ワインにその存在を明確に感じ、一般的な
サンテミリオンの赤ワインよりもカベルネ・ソーヴィニョン主体
の赤ワインに近い酒質に仕上がっています。
カベルネ・ソーヴィニョンを感じないサンテミリオンの赤ワイン
と異なり、相性の良い料理にもハーブを思わせる要素がある事を
要求します。すき焼きに春菊を入れた方が良い。ビーフシチュー
にローリエの風味をシッカリ効かせた方が良い。となります。
*Ch.Coutet 2014 /シャトー・クーテット2014
相性の良い料理:脂肪分の多い、コッテリとしたコクのある料理。
        チーズなら、ブリー。
飲み頃温度:19度。<まろやかなミディアム~フルボディー>
5,000円(消費税別)