2019年2月2日土曜日

食事としてのパン×ワイン

ワインを飲んでいる時にパンを口にする人は多いと思います。
でも、そんな時のパンの存在は口直し、つまみ程度でしかない
でしょう。パンを食事として位置付け、パンの味わいにワイン
を合わせ楽しむ事をした事がありますか?
白ワインに合わせ楽しむパン、ロゼワインに合わせ楽しむパン、
赤ワインに合わせ楽しむパン。パンの味わいを考え、ワインを
選ぶ。ワインと料理のマリアージュを創造する様に、ワインと
パンのマリアージュを創造できる至福のひと時がある事を多く
の方に知ってほしいといつも思っています。
これから何回にも渡り「ワインとパンのマリアージュ」の事を
取り上げて行きますが、先ずは2種類の赤ワインと2種類のパン
のマリアージュをお勧めしたいと思います。


サクサクの食感があるコロッケを挟んだパンです。このパンに
ワインを合わせる時のポイントはコロッケにかかったソースの
存在に注目する事です。
ソースは様々な果実も使い作られます。中濃ソースをイメージ
してみて下さい。華やかなフルーティーさを感じるでしょう。
お好み焼きやたこ焼きに使う事の多いオタフクソースにはより
明確に果実のヒントを感じるはずです。このフルーティーさが
同じ系統の香りを持つワインとの相性の良さを生み出します。
また、醸造されたもの(出来上がるまでに時間を要するもの)
はその過程でソトロンと言う成分が生成され、このソトロンが
醸造熟成期間の比較的長いワインとの相性の良さを創ります。
ソトロンの存在、丸みのある口当たりある醤油、中濃ソースは
とがった性質のリンゴ酸ではなく、柔らかい性質の乳酸があり
乳酸が備わったワインはほぼ全ての赤ワインですので、ここで
選ばれるべきワインは赤ワインになります。
ソースの華やかな香りに合わせ、赤ワインにもチャーミングな
フルーティーさがあればパーフェクトです。渋味の多い少ない
は好みを優先してもOKですが、パンに脂肪分がそれほど多く
ない事から渋味の多くない方がベターでしょう。


豊かな香ばしさ、ベーコンの旨味とディジョン・マスタードの
酸味、スパーシーさが絶妙な味わいのハーモニーを作り上げる
エピ・パンです。
パンの焼き目のロースト香、ベーコンの上品な野趣さ、酸味の
心地良いアクセントのマスタードの存在が合わせ楽しむワイン
を選ぶ際のポイントです。
木樽熟成で備わったロースト香を持つワイン、ベーコンの野趣
さに通じる動物肉を思わせる香りを持つワイン、酸味の広がり
が心地よいワイン。この様なワインがファースト・チョイスと
なります。
ロースト香りを持つワイン、酸味の広がりが心地よいワインは
白ワインにもありますが、動物肉をイメージさせる要素を持つ
ワインは白ワインにはありません。ロゼワインか赤ワインだけ
が持つ要素です。
そうなるとロゼワインでも良いのでは?となりますが、パンが
持つホットなスパイシーさ(ベーコンやマスタードに由来)が
程良いリッチさある果実味をワインに求めますので、野趣さ>
果実味になりがちなロゼワインより、果実味>野趣さのタイプ
の赤ワインがここではベターです。


今回の2種類のパンにとても素晴らしい相棒となり得る2種類の
赤ワインが偶然にも昨年末に当店にやって来ましたので、この
チャンスに「ワインとパンのマリアージュ」を是非、堪能して
頂きたいと思います。

*コロッケ・パン×右側の赤ワイン
Terra Vega 2017 Valle Central Pinot Noir
テラ・ヴェガ2017ヴァジェ・セントラル、ピノ・ノワ
飲み頃温度:15~18度。
<果実味華やかなミディアムボディー>
900円(消費税別)

*ベーコン・エピ×左側の赤ワイン
Root1 2015 Valle de Casablanca Pinot Noir
ルート・ワン2015ヴァジェ・デ・カサブランカ、ピノ・ノワ
飲み頃温度:15~18度。
<落ち着いた果実味のミディアムボディー>
1,500円(消費税別)


本日、取り上げました2種類のパンはこちらでお買い求め下さい。