2018年6月10日日曜日

Chianti/キアンティを軽んじるなかれ

日本の消費者の方々に「最も有名なイタリア赤ワインは何ですか?」
と問えば、返って来る答えはおそらく「キアンティだと思います。」
でしょう。
イタリア料理なら超高級店であっても、カジュアルな店であっても
キアンティは絶対にオン・リストされていますし、スパゲッティや
ピッツァをサーヴィスするカフェや洋風の居酒屋にもオン・リスト
されている事が多いですから、キアンティが最も有名なイタリア赤
ワインと思われるのも自然な事と思います。



キアンティとは、フィレンツェとシエナに挟まれたキアンティ地方
と呼ばれるエリアとその周辺で栽培されたこの地が原産の黒ブドウ
(果皮が深い紫色をしたブドウ)、Sangiovese/サンジョヴェーゼ
を主体、もしくは単独で使い造った赤ワインで、原産地呼称エリア
の自然環境の多様性に加え、造り方、使用ブドウの構成比率の違い
などが影響し、様々なタイプの赤ワインが存在します。また、小売
価格も様々です。
かつて日本で多く流通していたキアンティは渋味が少なく、酸味を
基調とした軽く、瑞々しい口当たりをして気軽に楽しめるタイプで
言葉悪く言えば水っぽい、味わいの浅いと言えるワインでしたから
良い評判を得ていなかった事もあり、キアンティなんて飲むもので
ないと言われていたものでした。
ワイン法も変わり、時代も移り変わり、現在はその様なキアンティ
に出会う事が滅多にありません。キアンティをいくつも飲み比べた
なら(全てがキアンティと知らずに)キアンティではないワインも
その中に入っていると思ってしまう筈で、そのくらい酒質の多様性
があります。
ですからかつてキアンティにがっかりしたとしても、キアンティを
軽んじないで下さい。そんなあなたの意識を完全に変えてくれると
予想できるキアンティを4月に参加して来たVinitalyで見つけ出し、
同一ヴィンテージの商品がこの度、輸入元から届きました。是非、
このキアンティを味わってみて下さい。
これがキアンティなのか。実はキアンティって良いんじゃないか。
キアンティのファンになっちゃったよ。そんな風に感じてもらえる
のではと確信しています。


*San Michele a Torri 2016 Chianti Colli Fiorentini
   サン・ミケーレ・ア・トッリ
                       2016 キアンティ・コッリ・フィオレンティーニ
相性の良い料理:脂肪分を含んだ旨味のある料理。
        チーズなら、パルミジャーノ。チェダー。
飲み頃温度:15~18度。
<まろやかなミディアムボディー>
2,500円
これからの季節、初鰹の刺身やたたきと一緒にお楽しみ頂けます。



キアンティはフィレンツェとシエナ間のキアンティ地方と呼ばれる
エリアで造られていましたが、人気の高まりと共に産地が周辺へと
広がり、現在の広さの原産地になりました。
元々、造られていたキアンティ地方のキアンティは現在ではChianti
Classico/キアンティ・クラッシコと言い、ワイン法でキアンティの
頂点に位置付けられています。
このキアンティ・クラッシコの原産地を囲むエリアがキアンティの
原産地で、その中に地域名を名乗れる(Chianti OOO/キアンティ・
OOOの様に)キアンティが7つあります。
今日、紹介しましたChianti Colli Fiorentini/キアンティ・コッリ・
フィオレンティーニは地域名を名乗れる7つのキアンティの一つで、
フィレンツェの南に広がる丘陵地帯が原産地のキアンティです。