ワインと呼ばれる飲料にはいくつかのタイプがあり、その代表格
が多くの人がワインとしてイメージする発泡していないスティル
・ワインと呼ばれるもの、そして炭酸ガスを含有し、発泡のある
スパークリング・ワインと呼ばれるものです。
スパークリング・ワインもワインですから、白もロゼも赤もある
のですが、その大部分は白で、白よりもロゼは少なく、赤は更に
ずっと少なくなります。ですので赤のスパークリング・ワインを
飲んだ事のない人が多くいるかもしれません。
スパークリング・ワインには複数の造り方があり、造り方の違い
からも酒質の違いが生まれます。スティル・ワインを瓶に詰め、
そこに酵母と糖分を加え炭酸ガスを得る為の発酵を行う伝統的な
製法(瓶内2次発酵製法=シャンパーニュを造る製法)で造ると
炭酸ガスの圧が高く、フルーティさが控えめで香味に深みのある
酒質になる傾向があります。
ステンレス・タンクに入っているスティル・ワインに酵母と糖分
を加え炭酸ガスを得る為の発酵を行う製法(シャルマー製法)で
造ると炭酸ガスの圧が優しく、フレッシュな香味で軽やかな酒質
になる傾向があります。
その他にスティル・ワインに圧をかけつつ、炭酸ガスを吹き込む
(ソーダ類の清涼飲料を造る製法)製法もあり、この造りの場合
炭酸ガスの粒が大きく、泡が直ぐに消えますので、上記の2製法
によるスパークリング・ワインとは明らかに外観が異なります。
スパークリング・ワインはスティル・ワインの延長にあるワイン
ですから白もロゼも赤も当然あるのですが、ロゼと特に赤が白と
比べ少ないのは、炭酸ガスを得る発酵をしている最中にロゼや赤
を創り出している色素が化学反応で脱落し、白になってしまうと
言う自然現象がスパークリング・ワインの色の構成割合に影響を
与えているとも言えるでしょう。
そこで今日はあまり出会う事のない赤のスパークリング・ワイン
を相性の良い料理と共に紹介致します。原料ブドウ由来の仄かな
甘味と重厚過ぎない渋味(タンニン)の存在が醤油、味醂で調理
した和風の料理と素晴らしいマリアージュを奏でます。
そのスパークリング・ワインがこちら。オーストラリア産でその
名はRed/レッド。黒いボトルに赤い鮮やかなRedの文字が印象的
です。
赤のスパークリング・ワインは少ないのですが、オーストラリア
ではとてもポピュラーで、BBQの時、ピクニックの時に大活躍
しています。
オーストラリアを代表するブドウShiraz/シラーズで造られている
事が多く、その場合、鮮やかな紫色の色調を感じ、チャーミングな
果実味にスパイスを思わせる刺激的なアクセントがあり、唐辛子、
八角、山椒などの香味を料理に添えてあげたなら、より素晴らしい
マリアージュを創造してくれるでしょう。
本日紹介のRedもシラーズ主体で造られていますので、上の画像で
ご覧頂ける様にワインのエッジ(縁)に鮮やかな紫色を感じ、香味
もシラーズのスパークリング・ワイン特有のそれになっています。
*Yellowglen Red/イエローグレン・レッド
飲み頃温度:11~14度。
<まろやかなミディアムボディーのやや辛口>
1,500円(消費税別)
きんぴらごぼうにこのRedを合わせるのなら、唐辛子でピリッと
した辛さを添えてあげると良いでしょう。
豚肉の角煮なら八角の風味をシッカリと添えてあげると良いで
しょう。マグロやカツオの角煮でもこのRedとマリアージュ可
です。
煮穴子なら山椒を少々多めに振りかけてこのRedに合わせて
みて下さい。お互いのスパイシーさが相乗し、生臭みが全く
現れません。鰻の蒲焼ですとこのRedは煮穴子の時ほど活躍
しないかもしれません。つまり、もっと芳醇なワインの方が
鰻の蒲焼との相性が良いと言う事です。
オーストラリアからやって来たスパークリングワインのRed
をあなたの食卓で大活躍させてあげて下さい。