移り、ワインの成分の一部となったものです。果皮の色が紫色をした
黒ブドウに大別される（ワイン好きにとって馴染みあるブドウPinot
Noir/ピノ・ノワ、Cabernet Sauvignon/カベルネ・ソーヴィニョン
など）ブドウを破砕し、実から果汁を搾り出し、その果汁に果皮を
マセラシオン（浸漬）しつつ、果汁中の糖分を酵母の働きで発酵させ
ている過程で果汁を取り除き、（その時に果汁がピンク色ならロゼに
赤になるまで浸漬すれば赤ワインになります。）意図したアルコール
度数になるまで発酵を続けます。これが大まかな流れです。お気づき
の方がいるでしょうが、果汁に果皮をマセラシオンし、果汁を染める
訳ですから、染めなければ、つまり果汁に果皮をマセラシオンしない
のならロゼワインや赤ワインを造るブドウであっても白ワインを造る
事が出来ます。
黒ブドウであればどのブドウであってもロゼワインを造る事が出来る
のですが、ブドウの性質により、秀逸な赤ワインになるものの、ロゼ
ワインにすると香りや味わいに心地良さを備えないブドウがあります。
例えばピノ・ノワのロゼは非常に素晴らしいワインが多数ありますが
カベルネ・ソーヴィニョンのロゼワインは存在自体が多くなく、時々
出会うワインは植物（ハーブ）を思わせる香りが強過ぎて、形容する
なら青っぽく感じてしまいます。
個人的に思うに、赤ワインになった時に植物や野菜をイメージさせる
香りを生まない黒ブドウでロゼワインを造ると香味の心地良い酒質に
なるのではと。
ピノ・ノワの赤ワインにはスミレやベリー果実の香りがあり、同じ様
な香りの赤ワインになる黒ブドウでZinfandel/ジンファンデル（略称
Zin/ジン）もロゼにした時に優美な香味を主張してくれます。
本日はその優美さで飲み手を魅了してくれる2種類のジンファンデル
ロゼを紹介致します。インド産とアメリカ産です。ジンファンデルは
南イタリアのPrimitivo/プリミティーヴォと同品種で別名の黒ブドウ。
ヨーロッパから冒険家、宣教師が新大陸を目指した際に寄港した先で
植樹したと考えれば、ヨーロッパ→喜望峰→インド→アメリカ大陸と
進んだ訳ですので、インドとアメリカにプリミティーヴォ（ジン）が
あっても不思議ではありません。
こちらがジンのロゼワインです。上の色の濃い方がアメリカ産、下の
淡い色の方がインド産です。色の濃淡の差はありますが、どちらにも
ラズベリー思わせるチャーミングさがあり、ジューシーな口当たりに
優美さを感じます。
こんなイメージでしょうか。エレガントな雰囲気が満ち溢れています。
インド産の造り手はSula Vineyards/スラ・ヴィンヤーズ。インドの
トップ・ワイナリーであり、インドのワインが世界レヴェルであると
世界のマーケットに知らしめたパイオニアです。
アメリカのシリコン・ヴァレーでIT企業に勤めていたラジヴがワイン
に惚れ込み、自分の生まれ故郷でワイン造りする決心をし、ナシクの
地にスラ・ヴィンヤーズを設立したのが1997年。その翌年にジンを
植樹しました。ジンの主産地はアメリカのカリフォルニア州ですので
ラジヴにとってジンは非常に馴染みのある品種、そしてワインだった
筈です。
アメリカの造り手はPedroncelli Winery/ペドロンチェリ・ワイナリー。
カリフォルニア州ソノマ郡のドライ・クリーク・ヴァレー（ここはジン
の為に神に与えられた地と言える程、ジンの栽培に適した自然環境下に
あります。）にあり、ジンのワインで高い評価を得ています。
ジンの多くは上の画像の様に株仕立て（日本では桑の仕立て方で私達に
馴染みのある栽培法）で栽培されています。この畑の樹の数倍の太さで
樹齢100年を超すジンが植わっている畑も目に出来ます。
ペドロンチェリ・ワイナリーのFBをフォローしているのですが、上の
画像がアップされていました。彼らのジンのロゼワインにはタコスが
ピッタリ。このコンビで1日がパーフェクトさと。確かにこれはグッド
コンビネーションでしょう。
Sula Vineyards 16 Nashik Zinfandel Rose
スラ・ヴィンヤーズ16ナシク、ジンファンデル・ロゼ
相性の良い料理：酸味の効いた軽い味付けの料理。チーズなら、
シェーヴルタイプ。
飲み頃温度：7度。
＜軽く、爽やかな、やや辛口＞
1,500円
Pedroncelli Winery 14 Dry Creek Valley Zinfandel Rose
ペドロンチェリ・ワイナリー14ﾄﾞﾗｲ･ｸﾘｰｸ･ｳﾞｧﾚｰ、ｼﾞﾝﾌｧﾝﾃﾞﾙ･ﾛｾﾞ
相性の良い料理：脂肪分を含んだ旨味のある料理。チーズなら、
パルミジャーノ。チェダー。
飲み頃温度：11～14度。
＜コクのある、やや辛口＞
2,500円
