2017年5月11日木曜日

渡仏の為、連休致します。

日本のワイン市場にとって、非常に重要なワインを誕生させる産地への
訪問が未実施でした。これではいけないと思い、訪問し、未知の真実を
見聞して来る事にしました。
その為、5月15日(月)~24日(水)は連休させて頂きます。ご不便を
おかけ致しますが、何卒、宜しくお願い申し上げます。
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ワイン業界に入った多くの人が初めて販売するワイン、思い出深くなる
ワインの一つにBeaujolais Nouveau/ボージョレ・ヌーヴォーがあり
ます。これはフランスの東側やや下にあるボージョレ地方で栽培された
Gamay/ガメイと言うブドウで造った主に赤ワインで、11月の第3木曜
から販売し、日付変更線との位置関係から日本が世界で最も消費出来る
新酒の事です。(ニュージーランドの方が本当は早く消費出来る位置に
あるのですが、この国はボージョレ・ヌーヴォーに興味がないので実質
日本が世界で最も早く消費出来る国になっています。)
この業界に入って今年で30年。新入社員研修を終え、配属された課での
実務研修も終え、独り立ちをし、営業を始めた自分にとって、初めての
商材がボージョレ・ヌーヴォーでした。販売開始は11月の第3木曜です
が、商品の案内、お客様からの受注は7月~8月にかけて行われ、研修を
終えたばかりでワインのワの字も解らず、そんな事をしていたのを今も
覚えています。
ワイン専門店を構え、世界中のワインを販売し出してから数年経った頃
より産地へ足を運び、現地で様々な事を見聞する様にしています。色々
な産地を訪ねて来たにも関わらず、最も思い入れのある、最も馴染みの
あるワインの生まれ故郷を訪問していませんでした。それは今、話題に
しているボージョレ地方です。
ボージョレー地方で誕生するワインは赤だけではありません。白ワイン
もロゼワインもあり、ヴァリエーション豊かです。(ヌーヴォーに白は
ありませんが。)
また、ボージョレ地方全体が原産地のボージョレと言う呼称ワインの他
に、北部の38村が対象の原産地となるBeaujolais Villages/ボージョレ
・ヴィラージュと言う呼称のワイン、その原産地の中にある格上の呼称
のCru de Beaujolais/クリュ・ド・ボージョレの3階層からこの地方の
ワインは構成されています。
またボージョレにはアルコール度数が0,5%高いBeaujolais Superieur
/ボージョレ・シューペリュール(これは赤ワインのみ)があり、38村
の内30村が原産地となるワインに関してはヴィラージュ呼称の代わり
にその村の名をボージョレに付け、ボージョレ・OO村と言った呼称の
ワインにする事も出来ます。



上の画像がボージョレ地方です。美食の街として名高いLyon/リヨンの
北西に広がるワイン産地です。緑色ぽいエリアが原産地呼称ボージョレ
とボージョレ・シューペリュールが誕生する地、黄色ぽいエリアが呼称
ボージョレ・ヴィラージュが誕生する地です。
その他、Saint Amour/サンタムール、Julienas/ジュリエナ、その下方
のBrouilly/ブルイィまで10のエリアがありますが、この10がクリュ・
ド・ボージョレとなり、この地方の最上位のワイン(赤のみ)です。
その10の原産地の風景の違いが生む10の呼称の赤ワインの酒質の違い
を感じ、どの様な違いがその違いを生むのか。これを探り、隠された
真実を突き止める、これが今回の最大のミッションです。