イタリアの中部にあるトスカーナ州は紀元前8世紀頃からエトルリア
と言う起源の不明な神秘的な民族に支配され、高度な技術を駆使
したワイン造りが行われていました。そこに南方から北上して来た
古代ローマ人の文明が融合し、現在のブドウ栽培、ワイン造りの礎
が築かれました。
中世には修道院により様々な改革が行われ、一層の飛躍を遂げた
ブドウ栽培とワイン造りは、各地に高品質のワインを誕生させ始め
ます。
近代になるとトスカーナ州ではChianti/キアンティ、Pomino/ポミーノ、
Carmignano/カルミニャーノ、Val d'Arno di Sopra/ヴァル・ダルノ・
ディ・ソプラと言った今でも存在するワインが明確に区分された産地
で生産される様になり、現在の原産地呼称制度の最初の例となり
ました。
トスカーナ州にはその他に19世紀末に名を馳せ始めたBrunello di
Montalcino/ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ、この赤ワインと比較
されるものの、既に17世紀にはNobile/ノビレ(優雅で貴族的なと
言う程の意味)なと形容され、有名であったVino Nobile di Monte-
pulciano/ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチャーノがあります。
上の画像はヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチャーノを造る事の
出来るエリアです。トスカーナ州の南東部にあり、東側には別の
州Marche/マルケがあります。
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノを造る事の出来るエリアはここ
からほぼ西方へ進んだ所にあり、ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテ-
プルチャーノのエリアよりも起伏が激しく、複雑な地勢を持つ地
で、それを反映しているかの様にワインもモンタルチーノの方が
大柄でリッチ、複雑で芳醇な酒質をしています。
丘の上の街はモンテプルチャーノです。トスカーナ州のワイン産地
のどこにでもある典型的な風景(丘の上には街並み、その周辺に
ブドウ畑とオリーヴ畑)が望めます。
赤ワイン、ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチャーノはこの街を含む
東側にある複数の街に広がる丘陵地や丘の傾斜地に拓かれた畑
で育まれたSangiovese/サンジョヴェーゼ(現地での名はPrugnolo
Gentile/プルニョーロ・ジェンティーレ)のみで、あるいは主体に他の
ブドウも使い造られます。
モンテプルチャーノの街を背に小道を東へ向かうと、この地トップの
造り手Poderi Boscarelli/ポデーリ・ボスカレッリに到着します。静寂
に包まれた空間にドッシリと構える重厚な作りの建物に威厳を感じ、
その威厳が彼らが造り出すワインにも明確に感じられます。
ボスカレッリは特に優れた畑が集まっているとされるCervognano/
チェルヴォニャーノの丘にあります。創業は1962年でワイン造りに
長い歴史のあるイタリアでは比較的新しい造り手です。僅か50年
でこの地トップの造り手に登り詰め、世界のワイン市場にその名を
轟かせるまでになっています。
こちらがポデーリ・ボスカレッリの2009年ヴィーノ・ノビレ・ディ・
モンテプルチャーノです。ワインの縁にはオレンジ色ぽい色調
が入り、熟成を感じます。
色合いは濃くはありませんが、落ち着いた深みのある香味に
豊かなボディーを感じます。鉄分ぽさを伴うドッシリとした渋味
が湧き上がる様に広がり、とても芳醇な酒質をしています。
寒くなると旬を迎える鴨、鹿などのジビエ料理との相性に優れ、
一緒に味わえば素晴らしいマリアージュを見せてくれる筈です。
*Poderi Boscarelli 2009 Vino Nobile di Montepulciano
ポデーリ・ボスカレッリ2009ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチャーノ
相性の良い料理:脂肪分の多い、コッテリとしたコクのある料理。
チーズなら、ブリー。青かびタイプ。
飲み頃温度:19度。
<まろやかなフルボディー>
375ml 3,000円(消費税別)
