現代のワインは中世の修道院、修道士によるブドウ栽培、ワイン醸造の
変革による飛躍的な向上の賜物です。また世界各国の多くの修道院は
現在でもワイン造りの重要な役割を担っています。
ドイツでは1136年、鄙びた山間にベルナルド・フォン・クレルヴォーにより
シトー派の修道院、Kloster Eberbach/クロスター・エバーバッハが設立
され、ブドウ栽培、ワイン造りが始められました。
今もブドウ栽培、ワイン造りは継続されていますが、ヘッセン州の所有と
なっていて、州営醸造所として、ドイツの醸造界を牽引しています。この
醸造所の最も有名なワインはSteinberger/シュタインベルガーと言う白
で、四方を石垣で囲まれた32haの畑(Steinberg/シュタインベルク)で
育まれたRiesling/リーズリングを100%使用し造られています。
修道院内にあるかつての醸造所です。今は近代的なワイナリーに生まれ
変わり、ハツラツとした白ワインをそこで誕生させています。ヘッセン州営
クロスター・エバーバッハ醸造所はシュタインベルクの他、別の村に複数
の畑を所有し、ワイン造りを行っています。
その中には赤ワインの銘醸地Assmannshausen/アスマンスハウゼン村
にある畑もあり、その地ではSpatburgunder/シュペートブルグンダーから
エレガントな酒質の赤ワインが誕生しています。
近年、品質の向上が目覚ましいドイツの赤ワインですが、クロスター・
エバーバッハのあるRheingau/ラインガウ、ドイツで最も南に位置する
Baden/バーデンで育まれたシュペートブルグンダーからは飲み手を
驚愕させる赤ワインが多数誕生しています。温暖化の影響と一言で
片づけられがちですが、ドイツの各産地に相応しいクローンの選択、
栽培法など造り手の絶え間ない努力がある事も事実です。
ドイツの赤ワイン、特にシュペートブルグンダーの赤ワインの特徴は
エレガントさ、美しさです。ピュアな果実味が明確で、口当たりは柔和
例えればシルクの滑らかさです。比較的淡い味わいの料理を日頃、
食す日本人にとって心地良い酒質、香味をしていると言えます。
果実味が華やかな時には照り焼きの様に味醂の華やかさを感じる
料理を。果実味が穏やかな時には根菜類、赤身の魚や肉を醤油や
赤味噌で淡く調理した料理を合わせ楽しめます。
この透き通る様な美しい外観がドイツのシュペートブルグンダーの
赤ワインです。この様に淡い色の赤ワインは味わいも淡いのです
が、ドイツのシュペートブルグンダーの赤ワインには不思議とそれ
が当てはまりません。余韻に静かで穏やかな深みが明確に残る。
これがドイツのシュペートブルグンダーの赤ワインです。
*Kloster Eberbach 2014 Rheingau Spatburgunder
クロスター・エバーバッハ2014ラインガウ、シュペートブルグンダー
相性の良い料理:脂肪分を含んだ旨味のある料理。
チーズなら、パルミジャーノ。チェダー。
飲み頃温度:15~18度。
<まろやかなライト~ミディアムボディー>
3,000円(消費税別)