オリーヴオイルなんて、所詮、油でしょ。だいぶ昔の話ですが、そう思って
いました。しかし、そうではなかったのです。物事の本質を本当に知る為
には、本物に出会う必要があります。本物には人の心を打つ素晴らしさが
あるのです。
初めて訪れたワイン産地はポルトガルの北部にあるDouro/ドウロです。
この地方は複数のブドウをブレンドし造り上げる赤ワインと世界最高峰の
デザートワインのVinho do Porto/ポート・ワインで名声を獲得しています。
この地に滞在した際、毎食のテーブルにオリーヴオイルが置かれ、現地
の人が様々な料理にかけ、味わっているのを目にし、興味深々で真似を
した事が、今のオリーヴオイルLoveの始まりでした。
オリーヴの実から絞り出された油分ですからオイルと呼びますが、実際
は果汁と言った方が正しい程で、言語の違いで色々な名称になりますが
Extra Virgin/Virgen Extra/Extra Virgineなどはオリーヴのドレッシング、
いやオリーヴ・ジュースそのものです。
またワインと一緒で原料ブドウが異なれば香味が異なる様に、オリーヴ
の種類が異なると香味が全く異なります。勿論、見た目の色も。非常に
濃く深い緑色をしているもの、黄色を帯びた明るい緑色をしているもの等。
Sauvignon Blanc/ソーヴィニョン・ブランやCabernet Sauvignon/カベルネ
・ソーヴィニョンのワインに感じられるハーベイシャスさがあるもの、爽快
なメントールの香りを感じるもの等。この様にヴァリエーションが豊かです
から、オリーヴオイルのテイスティング講座がある程です。
ポルトガルの他にスペイン、イタリア、南フランスがヨーロッパでのオリーヴ
の主産地です。ブドウの樹とオリーヴの樹が共存する風景が広がり、秋に
なるとブドウの収穫、その後、オリーヴの収穫が行われます。
上の画像は南イタリア、Puglia/プーリア州の典型的な風景です。青い空
の下、どこまでも広がるブドウ畑とオリーヴ畑、その際に地平線。ワイン&
オリーヴオイルLoveの人にはたまらない風景です。
当店はワイン専門店ですが、オリーヴオイルも常時、数種類在庫し、販売
しています。現在庫はスペイン産とイタリア産の2種類で、上下の画像の
右側がスペイン産、左側がイタリア産です。
スペイン産はArbequina/アルベキーナ100%、イタリア産はアルベキーナを
主体に複数のオリーヴから造られています。両者を比較しますと、右の方
が色が濃く、香りも豊かな事から、アルベキーナの他に原料となっている
オリーヴが繊細な個性を持っているのが判ります。
*Pago de Val de Cuevas/パゴ・デ・ヴァル・デ・クエヴァス(右)
500ml 1,800円(消費税別)
*Don Gioacchino/ドン・ジョアッキーノ(左)
250ml 2,200円(消費税別)
漬物にかけて頂くとマイルドな味わいになり、ワインのおかずとして
より相応しくなります。
焼きそばを作る時にも、出来上がった焼きそばにかけてもどちらでも
良いのですが、オリーヴオイルが焼きそばの味を一味も二味も増して
くれるのです。実際、その様な商品もある位ですから、オリーヴオイル
を焼きそばと共存させても良い筈です。
上の画像を見ると塩味でなければダメなのかと思うでしょうが、ソース
とオリーヴオイルの相性もGoodです。
新米の季節です。炊き立てのご飯にエクストラ・ヴァージンのオリーヴ
オイルをかけ、リゾット風にして味わってみませんか。おかずなしでも
アッと言う間に完食してしまう位、美味です。醤油をひとたれ入れると
美味さが一層アップします。
エクストラ・ヴァージンのオリーヴオイルは香り豊かで、酸味を基調と
した辛味を感じます。これが市販されている多くの油にはない個性で
それを苦手とする方が多い様です。
赤ワインの渋味が苦手で馴染めなかったが、飲んでいる内に慣れて
白ワインよりも好きになった人もいるでしょう。オリーヴオイルでも同じ
様な事が言えるかもしれません。
油を体内に入れるのなら、エクストラ・ヴァージンのオリーヴオイルの
方が断然ヘルシーです。ケチらないで高級、高品質なオリーヴオイル
でヘルシー、ナチュラルな生活を送ってみては如何でしょうか。