晴天の日には気温が高くなり、夏に近づく気配がして来ました。夏と
言えば、欧米ではサマー・ワインと称されるロゼ・ワインの消費量が
非常に高くなります。量より質を追求し、消費量が減少傾向にある
今、ワインの消費量を微減に留めているのはロゼ・ワインの消費量
の大幅増です。
それにしても日本では何故、ロゼ・ワインは人気がないのか?それ
は私達、ワイン業界で働いている全員の責任ですし、努力不足に
起因しています。
ワインを扱う人間がロゼ・ワインを愛していない。それどころか良さ
にさえ気付いていないのですから、それを説得力を持って消費者の
皆様に販売など出来ない訳です。
ある程度のステージに達するまで、ワインと言うアルコール飲料は
消費者を教育をしつつ販売し、楽しんでもらうものと世界では認識
されています。
アメリカのワイナリーではeducate/エジュケイト(教育、啓発する)、
education/エジュケイション(教育、教養、知識、ためになる経験)、
educator/エジュケーター(教育者)と言う単語がスタッフとお客様
との間で頻繁に飛び交っています。
また先日、訪問した香港でも中国国内の消費者(中国人)が立派な
ワイン消費者になる様、教育する段階であると多くのワイン関係者
が語っていました。
日本では教育などと言う単語を使うとウザったいと思われがちで、
歓迎されませんが、ロゼ・ワインに関しては教育、啓蒙が不可欠な
状況に陥ってしまっています。
今日は6月第2土曜。実はNational Rose Day(ロゼの日)です。ここ
日本での話ではないのですが...。ロゼワイン♡LOVEの人にとって、
この企画、イヴェントは最高の楽しみでしょう。こんな時だからこそ、
味わってこれは良いな、素晴らしいなと感じて頂けるロゼ・ワインの
逸品を紹介したいと思います。
ロゼ・ワインは恐らく最も古いタイプのワインで、紀元前600年にまで
その存在を遡る事が出来る様です。多様なスタイルがあり、色々な
料理とのペアリングが可能です。
ロゼ・ワインは赤ワインを造るブドウの果皮の色素をほど良く液体に
移して造られ、赤ワインよりも軽やかで、白ワインよりも深みがある
飲み物です。
ロゼ・ワインの色調はマセラシオンと呼ばれるブドウの果皮と果汁の
接している時間により決まります。(同じブドウからならマセラシオン
が短ければ薄い色のロゼ・ワインに、マセラシオンが長ければ濃い
色のロゼ・ワインになるのです。)
その様な感じの説明がNational Rose Dayの公式WEBに掲載されて
います。
マセラシオンの違いでロゼ・ワインには様々なタイプがある事が判り
ました。色が薄く、白ワインに限りなく近い味わいのロゼ・ワイン。色
が濃く、限りなく赤ワインに近い味わいのロゼ・ワイン。明るい赤い
色調をしたロゼ・ワインはアセロラやラズベリーを思わせる果実味に
満ち溢れ、オレンジの色調を感じるロゼ・ワインは赤身肉の料理を
食したくなる様な複雑さ、深みに満ちています。
そして、ワインの温度によっても多様な姿を見せてくれます。ロゼ・
ワインの色はタンニン(渋味成分)です。タンニンはワインの温度が
低いとスリムな主張になり、ワインの温度が高いとふくよかな主張
になります。ワインの温度を変える事で、1本で2本分の楽しみが
出来る。それがロゼ・ワインです。
ボルドー地方のグラーヴ地区でトップの生産者のDomaine de
Chevalier/ドメーヌ・ド・シュヴァリエ。赤ワインも然ることながら
白ワインの秀逸さにも定評のある造り手です。
その造り手が毎年ではなく、その年のブドウの収穫状況に応じ
造るロゼ・ワインが上の画像のRose de Chevalier/ロゼ・ド・
シュヴァリエです。明るい赤い色調と言うよりもオレンジの色調
を感じる濃いめの色合いですから野趣さ、複雑さ、深みがあり
赤ワインに限りなく近い酒質のロゼ・ワインです。
*Rose de Chevalier 2014 Bordeaux Rose
ロゼ・ド・シュヴァリエ2014ボルドー・ロゼ
飲み頃温度:11~14度でシャープさを、15~18度でふくよかさ
をお楽しみ下さい。
動物赤身肉を使った料理、動物赤身肉の加工品を使った料理
との相性に優れています。
2,500円(消費税別)