2016年6月15日水曜日

出会ってから20年近く経ってようやく

Bolgheri/ボルゲリ、それはイタリア国内で最も輝きを放っているワイン
産地の一つです。ボルゲリはイタリアで他にあまりないユニークな産地
で、Cabernet Sauvignon/カベルネ・ソーヴィニョンやMerlot/メルロなど
を使ったフランスのボルドー・タイプの赤ワインで名声を勝ち得ました。
今日、紹介します造り手はLe Macchiole/レ・マッキオーレ。17、18年前
に輸入元主催の試飲セミナーでその存在を知るまで全く未知の造り手
で、しかもレ・マッキオーレのあるボルゲリと言う産地がどこにあるのか
さえ知らない程でした。
その時、既にこの地は赤ワイン、Sassicaia/サッシカイアなどで世界に
存在をアピールしていましたが、当時はワイン法に囚われない造りの
スーパーなワイン(スーパー・タスカン)のイメージが先行したままで、
ボルゲリではなく、トスカーナの、との認識が強くあった為です。
その後、ボルゲリがトスカーナ州の中の偉大なワイン産地として確固
たる存在感を示し、ここがかつて湿地でマラリアが蔓延していた辺鄙
な地であった事をボルゲリの歴史書を見なければ知る由もないまでに
別の世界へと移り変わりました。




ボルゲリはトスカーナの主要なワインの街の一つ、Siena/シエナの西方
の海沿いに広がる産地です。その中心は中世の面影を濃く残す城壁に
囲まれ、静寂に包まれた小さな街、ボルゲリで、街の東側には高い山が
あるものの、原産地呼称のボルゲリ地区は大部分が平野です。
かつて湿地であったワイン産地と言えばフランスのボルドー地方が先ず
思い浮かびますが、干拓し創り上げたエリアは小高い丘がある以外は
平地で、海洋性気候と言う自然条件に極めて類似性があり、その結果、
ボルゲリはボルドー・スタイルのワインで名声を得る事になったのではと
思わざるを得ません。




こちらがレ・マッキオーレの正門越しに建物を見た画像です。海外
の産地を訪問し、いつも気付くのは人が中にいても常に門を閉じ、
外部から自由に進入できない様にしてある事です。外出するのに
施錠もしない人がいる様な平和ボケの日本とは大違いです。
そして、下の画像がレ・マッキオーレの敷地に隣接するブドウ畑で
ご覧の通り、高い山などない平野であると判ります。しかし、ここが
湿地であったとは...。




レ・マッキオーレにはメルロで造る最高レインジのMessorio/メッソリオ、
このワイナリーの名声を不動のものにしたCabernet Franc/カベルネ
・フランで造るPaleo Rosso/パレオ・ロッソ等がありますが、今日、紹介
の赤ワインは末っ子のボルゲリ・ロッソです。




原産地呼称ボルゲリ地区で栽培されたメルロ、カベルネ・フラン、
Syrah/シラーの3品種を使い造られています。メルロ由来の野趣
な香味、カベルネ・フラン由来の鉄分ぽさとミネラリーさ、シラー
由来の紫色の果実や花を思わせる華やかさが織りなす重厚感
十分の酒質をしています。
入荷しましたのは最新ヴィンテージのワインですので、少々若さ
が全面に出て、抜栓直後の味わいは硬いのですが、デカンタ等
に移し、ワインを空気と接触をしてあげる事で香味の豊かな主張
が現れます。





*Le Macchiole 2014 Bolgheri Rosso
 レ・マッキオーレ2014ボルゲリ・ロッソ
相性の良い料理:脂肪分の多い、コッテリとしたコクのある料理。
           チーズなら、ブリー。青かびタイプ。
飲み頃温度:19度。
<まろやかなフルボディー>
今だけ特別価格3,000円(消費税別)
甘味のある割り下で調理する牛肉や鴨肉のすき焼き(春菊なし
がベター)やビーフジャーキーなどにとても良くマリアージュする
ワインです。