ワインには様々なストーリーや背景があり、また、存在感もあり華やかさを
添えてくれる事から映画やドラマの中にしばしば登場します。Pahlmeyer/
パルメイヤーと言うカリフォルニアのワインを初めて知ったのも映画に登場
していた事がきっかけでした。
その映画がこちら。ハイテク企業を舞台にマイケル・ダグラスとデミ・ムーア
が激しいバトルを展開するセクシャル・サスペンス、DISCLOSUREです。
かつて恋人同士だった二人。そしてマイケル演じるトムが好きだったワイン
はパルメイヤーのChardonnay/シャルドネ。入手困難なその白ワインを
秘書にパワハラまがいの命令で手に入れさせ、そのワインを飲みながら
ハニー・トラップを仕掛けるデミが演じるメレディス。そこから始まる衝撃的
な展開にハラハラドキドキの映画です。
この映画に登場したのはシャルドネの白ワイン。そのシャルドネを産出する
畑を一目見てみたいとの思いから、アメリカ合衆国政府認定のブドウ栽培
地域（A.V.A.）のAtras Peak/アトラス・ピーク内にあるパルメイヤーが所有
するWater Ranch Vineyard/ウォーター・ランチ・ヴィンヤードを訪ねました。
すれ違う車がほとんどなく、急なカーブが何度も繰り返す山道を進むの
ですが、道に迷ってしまったのかと思ってしまう程の分かり難い所（上
の画像でWaters Rd/ウォーターズ・ロードの小さな標識に沿って曲がり
進んだ所）にそこはあります。
やっとの思いでたどり着いたパルメイヤーのウォーター・ランチ・ヴィンヤード
でしたが、ご覧の通り、鉄製の門がシッカリと閉まっていました。防犯意識の
非常に高いお国柄ですから当然なのですが、思わず「クソッ、折角ここまで
来たのに見られないのか」と発してしまいました。
門の先はどうなのか。木々に阻まれ、覗き見る事も出来ません。しかし、
文明の利器は凄いです。最近、発見した機能（今頃、発見したのかよ。と
言われそうですが...。）を使い立体的にウォーター・ランチ・ヴィンヤードを
見る事が出来ます。
中央下の青い矢印の辺りが行き止まりの門の所です。そして畑は東向き
斜面（緑色の円内）と山頂を越え西向きの斜面（赤色の円内）に拓かれて
います。
東向きの畑は西日が当たらない為、酸味のハッキリしたブドウを育め、西
向きの畑は豊かな日照が糖度の高い完熟したブドウを育みます。それら
のブドウを別々に使い、ワインを造る事もあるでしょうし、上手くバランス
を取りつつブレンドしてワイン造りをする事もあるでしょう。それは造り手
の志向するワインによります。但し、これは同じブドウ品種を例にした時
の説明です。
パルメイヤーのこの畑ではシャルドネの他に、Cabernet Sauvingon/
カベルネ・ソーヴィニョン、Merlot/メルロ、Cabernet Franc/カベルネ・
フラン、Malbec/マルベック、Petit Verdot/プティ・ヴェルドが植樹され、
こちらからはシッカリとした香味のボルドー・タイプの赤ワインが造られて
います。
これはあくまで推測ですが、今まで色々な所で説明を受けた事を考える
と、このウォーター・ランチ・ヴィンヤードでは酸味が命の白ワインの為の
ブドウは東向きの斜面に、タンニン（渋味）、色（ブドウの果皮の色素が
ワインに移行した成分）が命の赤ワインの為のブドウは西向きの斜面に
植樹され、それぞれを理想の状態の実になる様、栽培していると思われ
ます。
ウォーター・ランチ・ヴィンヤードで育まれたブドウも使い造られた赤ワイン
がこちらです。Jayson/ジェイソンとは弁護士の職を辞し、このワイナリー
を設立したオーナーのファースト・ネイムです。
*Jayson 2013 Napa Valley Red Wine
ジェイソン2013ナパ・ヴァレー、レッド・ワイン
相性の良い料理：脂肪分を含んだ旨味のある料理。
チーズなら、パルミジャーノ。チェダー。
飲み頃温度：15～18度。
＜まろやかなミディアムボディー＞
11,000円（消費税別）
5種類の黒ブドウを使い造られています。カベルネ・ソーヴィニョンからの
個性（カシスやハーブスパイスの香り）、カベルネ・フランやマルベックの
個性（紫色の果実や花の香り）、プティ・ヴェルドの個性（ミネラリーさ）、
そしてメルロの個性（全てを丸く包み込む様な優しさ）のマリアージュの
妙を堪能できます。
