ソノマ、Mendocino/メンドシノ内にあるA.V.A./アヴァ（アメリカ合衆国政府に
認定されたブドウ栽培地域）を全て巡る事でした。そうする事で、それぞれの
A.V.A.の違いを感覚で掴めます。
標高、傾斜、向き。その違いによる日射、気温の異なり。またどの様な風景
の中にあるのか等々。机上の学習では判らない事が視覚から飛び込んで
来て、頭の中にある情報とリンクします。それにより正確で明確な知識と
なって身につきます。ここまで出来れば、その情報、知識をもう忘れる事が
ありません。
今回の目的が時間の許す限り動き回って情報と視覚で捉えた情報を結び
合わせ知識にする事でしたので、アポありで滞在時間をシッカリと取っての
ワイナリー訪問は最小限にしました。
カリフォルニアのワイナリーはアポなしでも訪問OKの所もあるのですが、
多くのワイナリーは予めアポを取り、訪問日時などの打ち合わせをした上
でないと敷地にすら入れません。無視して足を踏み入れたなら、不法侵入
と警察に連絡され、大変な事態になってしまう場合があります。
一番最初の訪問ワイナリーはCalistoga/カリストガの街の西側にあります。
このエリアはDiamond Mountain/ダイヤモンド・マウンテンと言うA.V.A.で、
標高の高さが冷涼さをもたらし、カリストガなどの街があるValley Floor/
ヴァレー・フロアー（山に囲まれた谷底）で育つブドウとは異なる個性を持つ
ブドウが収穫できるとして注目度が上昇しています。
ナパの街とカリストガを結ぶ29号ハイウェイがヴァレー・フロアーを南北に
走っています。そこから西側の細い山道を進むと最初の目的地Checker-
board Vineyards/チェッカーボード・ヴィンヤードの入口にたどり着きます。
上の画像でご覧頂ける様に門で閉ざされてはいませんし、Appointment
Only/アポイントメント・オンリーの表示もありませんから、そのまま行ける
所まで進みます。
やはり門がしまっていました。しかし、ここでひるむ訳には行きません。折角
来たのですから。ワイナリーの電話番号が判っていましたので、携帯から
電話します。何度かかけましたが、どうやら留守の様です。この門の先に
醸造所と畑がありますでの、写真を撮るだけで良いから、何とか中に入れて
もらおうとしたのですが...。残念。
Google Earthで見るチェッカーボード・ヴィンヤーズが上の画像です。赤い印
が先程の門のない入口付近です。画像中、赤い印の真下の山の中に2か所
並ぶ拓けた場所、更にその下方向に大きく拓けた2つの場所があります。
そこがチェッカーボード・ヴィンヤードの畑です。
大きく拓けた方の畑は標高600mで、ヴァレー・フロアーとは全く異なる気候
風土になるそうです。100mにつき0，6度の差があると言われていますので
4度近く違いますから相当な差です。
この様な相違がこのA.V.A.ダイヤモンド・マウンテンのワインに繊細さ上品さ
をもたらし、ヴァレー・フロアーの果実味豊かなワインと共にヴァリエーション
の豊かさへとなるのです。
チェッカーボード・ヴィンヤーズの敷地内へは入れませんでしたが、この
ワイナリーのワインは日本に輸入されていますので、これから販売して
行きます。
ワイナリーのHPにも載っていない、ワイナリーでしか販売していない超
レアもののロゼワインです。標高600mのあの畑で栽培されたCabernet
Sauvignon/カベルネ・ソーヴィニョンとMerlot/メルロから造られています。
ふくよかで、タンニン（渋味）を明確に感じる香味はミディアムボディーの
赤ワインの様です。
カシューナッツを思わせる香味もあり、オーク樽で熟成させた事を明確
にイメージ出来ます。メルロ由来の動物の赤身肉を連想させる複雑さ
もあり、ベーコンソテーを食べたくなります。
昨夜はローストビーフと共にこのロゼワインを味わいましたが、ビーフの
鉄分ぽさに負けず、調和から深みが一層増し、高級なボルドー赤ワイン
を飲んでいるかの様な思いになる程でした。この様なロゼワインを口に
すれば、ロゼなんてと言う思いは微塵も浮かばないでしょう。
アメリカ国内でも入手困難な超レアものロゼワインを是非、味わってみて
下さい。深み、複雑さに度肝を抜かれる事、必至です。
*Checkerboard Vineyards 2014 Napa Valley Estate Rose
ﾁｪｯｶｰﾎﾞｰﾄﾞ･ｳﾞｨﾝﾔｰｽﾞ2014ﾅﾊﾟ･ｳﾞｧﾚｰ、エステート・ロゼ
相性の良い料理：脂肪分を含んだ旨味のある料理。
チーズなら、パルミジャーノ。チェダー。
飲み頃温度：15度。
＜コクのある、ふくよかな、やや辛口＞
10,000円（消費税別）
