2016年4月16日土曜日

次のA.V.A.はここか?

A.V.A./アヴァ(アメリカ合衆国政府認定ブドウ栽培地域)は、特定機関
の調査により特殊な地理的・気候的特徴を持つ地域の存在が明らか
になる度に少しずつ増えています。それは今までの認定地域とは全く
異なる地域であったり、既に認定されている地域の中にある小地区で
あったり様々です。
カリフォルニア州のワイン産地Napa Valley/ナパ・ヴァレーの東側の境
はVaca Mountain/ヴァカ山になるのですが、それに連なる山々の間に
広がる標高約250mの盆地があります。Pope Valley/ポープ・ヴァレー
と言い、山間にある所から特殊な微気候により、豊かな日射量の下、
高地であるにも関わらず比較的温暖な気象条件になるエリアです。



ワイン醸造用のブドウの産地としてはまだ無名に近い存在ですが、安定
した気象条件の下、栽培されている農作物の産地としてその名を馳せて
います。
このポープ・ヴァレーが近年、良質のCabernet Sauvignon/カベルネ・
ソーヴィニョンの栽培地となると期待され、近い将来、確実にA.V.A.に
認定されるだろうと予想されています。




そうガイド・ブックに書いてありましたので、先取りしようと現地へ行って
みた所、既にその予想通りブドウ畑がいくつも拓かれていました。情報
が少しばかり古かった様です。
両側を山(どちらかと言えば小高い丘ですが)に囲まれ、南東-北西の
方向に走る道路の東側の平地にブドウ畑があります。と言っても微妙な
アンジュレーションがある地形で、日当たりを十分に考慮してブドウ畑が
拓かれています。




また、ブドウの栽培期にほとんど降水がない為、ため池を作り、冬季
にまとまって降る雨(時には雪の解け水)を貯め、栽培期に必要な
灌漑に使っています。
ここを訪れた時には閉まっていましたが、Pope Valley Market/ポープ
・ヴァレー・マーケットと言う地場農作物を販売する店があり、この地
の安定した気候風土のおかげでそのほとんど全てがオーガニックの
農作物との事。カリフォルニア人のオーガニック志向にも支持され、
オープン時には大勢のお客様で混雑するそうです。
因みにカリフォルニアでは多くのブドウ栽培もオーガニックで行われ、
下の画像の様に公的機関によってそれを証明認定されています。
先ずはオーガニックありきでワインの品質が2の次では本末転倒です
が、ワインの品質が申し分なく、それがオーガニックのブドウで造られ
ているのでしたら、地球にフレンドリーに生きようとしている人にとって
最高のものになるでしょう。





次回はポープ・ヴァレーを南東に進んだ所にあるこの地に似ている
Chiles Valley/チレス・ヴァレーに行ってみましょう。