2016年1月17日日曜日

添加物を恐れるべきか?

しばしば耳にする事。それは「日本に輸入されるワインには酸化防止剤
などの添加物が入っているけれど、現地で売っているワインは無添加、
だから味が良い。」と。
誰が言ったのか判りませんが、全く無責任な発言です。添加物の有無で
味わいの優劣はつきません。それより以前に、例外はありますが、通常
ワインを造る過程で酸化防止剤を使用しなければ、途中で何かしらの
不具合が発生し、良質のワインが出来上がらない事が広く認知されて
います。
ですから、フランスで飲んだワインは良かったのに、同じワインを日本で
飲んだら良くなかったと言うのは、ハッキリと言えば単なる気分の問題で
あって、他の理由などないのです。
どんなワインにも絶対に含まれているSO2/亜硫酸(酸化防止剤の1種)、
そして、製造過程で添加する事でワイン中に存在するアスコルビン酸
(ビタミンC)などの酸化防止剤やソルビン酸などの保存料ですが、これら
は果たしてワインを飲む人に害を及ぼすのでしょうか?
この答えはNoであり、Yesでもあります。Yesなら、飲まない方が良いの
ではと思うでしょう。健康に良いとされる大豆やゴマにアレルギーがあり
それらを食す事で重篤な事態を招く人がいる様にどの様な食品、状況
にもアレルギー反応を起こしてしまう人がいます。その様な人にとって
SO2やソルビン酸が天敵であれば、アレルギー反応を起こします。万人
がセーフなものなど地球上に存在しません。
アレルギー反応をしてしまう人もワインが飲みたいですよね。私は既に
30年以上もアレルギーと戦っていますが、もちろん、SO2やソルビン酸
にも反応し、体が過剰反応をしますけれど、今でもワインを毎日、1本
楽しんでいます。
アレルギーは完治しません。上手く付き合って、ごまかしながら生きて
行くのです。重篤な状況を招くと判明している物質なら、絶対に体内に
入れてはいけません。少量の摂取なら良いでしょうと言うのなら、対処
方法があります。その方法を実際に行っている立場からお話しします。
先ず知っておいて頂きたい事は、ワインのタイプにより添加物の量が
異なります。白ワインよりもロゼワイン、ロゼワインよりも赤ワインの方
が添加量が少なくなります。
甘いワインよりも辛いワインの方が添加量が少なくなります。少量瓶
よりも大型瓶に入ったワインの方が添加量が少なくなります。紙パック
やペットボトル入りよりも瓶詰ワインの方が添加量が少なくなります。
アルコール度数の低いワインよりも高いワインの方が添加量が少なく
なります。
それらを考えますと、白の甘口ワインで少量のペットボトルや紙パック
入りが最も添加量が多くなる傾向がある事が分かります。一方、温暖
な産地で栽培されたブドウから造られたエキス分とアルコール度数が
リッチな赤ワインで瓶入りのものは添加量が低くなるでしょう。
添加物によるアレルギー反応とはどの様な症状が出るのでしょうか?
皮膚が針で刺激されたようにピリピリする。身体に熱風を当てている
かの様に熱さを感じる。顔や手足が赤くなり、引きつった様に感じる。
頭痛がする。この様な感じになると思います。
0でなければ100も1も同じ。この様な方もいるでしょう。残念ながら
その場合にはワインを飲む事を断念して下さい。身体が大事です。
そうでないのなら、自分の限界をチェックしてみて下さい。その限界
を超えなければ、ワインを楽しめるのですから。
私は白の甘口ワインはダメな事が判明しています。ですから、商いの
為に、試飲会でテイスティングするだけです。また、187mlなどの少量
の紙パック入りワインやペットボトル入りワインを複数本飲むと過剰
反応が起きるので1~2本しか飲まない様にしています。
アレルギーがない人は、アレルギーを引き起こす物質や状況、反応
した結果を軽く見ます。アレルギーの事はアレルギー持ちにしか絶対
に判りません。食品添加物にアレルギーがある。豆類、ナッツ、ゴマ、
ガーリック等とそれらを使った食品にアレルギーがある、だからこそ
アレルギーを持っていてもワインを楽しめるアドヴァイスが出来る。
WINE HOUSEはそんなワインショップでもあるのです。
上手に付き合えば、重篤にならないと言うのでしたら、ワイン愛好の
お手伝いが出来る筈です。是非、相談して下さい。