赤ワインのあの色、その色の成分が渋味成分(タンニン)です。色が濃い
とその成分が多い訳ですから、渋味が強いフルボディーのワインになる
のです。しかし、色が濃いと言う事は果実味も凝縮し、甘いニュアンスを
感じる濃厚な酒質になる訳で、お客様が甘くない赤ワインと言った時に
イメージしているワインとは真にそれではないのです。
ボディーがあって、甘いニュアンスのない赤ワインはあるのでしょうか?
色が薄いのに渋い赤ワインと言う事です。そんな矛盾した酒質を持つ
ワインが実はあります。その代表的なのはNebbiolo/ネッビオーロから
造られた赤ワインです。
上の画像はネッビオーロ、正確にはイタリアのロンバルディア州の北部
でChiavennasca/キャヴェンナスカと呼ばれるブドウから造られたワイン
です。
ワインの縁に透明な部分があり、やがてオレンジ色がかった色調になり
中心に向かって赤みが強くなります。色合いはどうでしょうか?比較する
対象がありませんので、分かり難いかもしれませんが、決して濃い色で
なく、やや薄めとも言えるレヴェルです。
この様な外観を呈する赤ワインは果実味が穏やかで渋味が中庸である
事が普通です。フルボディーではないと言う事です。果実味の穏やかさ
とシッカリとした渋味を両方求める事は矛盾する訳で、果実味が穏やか
なら、色合いが濃くなく、結果、渋味(タンニン)は弱くなるのです。
しかし、何事にも例外があります。既に述べました通り、キャヴェンナスカ
(=ネッビオーロ)で赤ワインを造ると色が薄いにも関わらず、シッカリと
主張する力強い渋味があり、甘いニュアンスはなく、味わいに深みがあり
ます。
日射量は豊富なヴァルテッリーナの地ですが、数千メートルの高地です
ので、冷涼さもあり、より暖かいネッビオーロの産地、Barolo/バローロや
Barbaresco/バルバレスコに比べ、軽やかさと優しさを備えた赤ワインが
誕生します。
強過ぎず、優美さがあり、繊細な香味のヴァルテッリーナは出汁と醤油
で味わいを整える日本の家庭料理との相性に優れています。この年末
年始は外食したと思って、ちょっとリッチにヴァルテッリーナの赤ワイン
でウチ飲みタイムを創ってみませんか。
Mamete Prevostini 2011Valtellina Superiore Sassella
マメーテ・オウレヴォスティーニ2011ヴァルテッリーナ・スペリオーレ・サッセッラ
相性の良い料理:脂肪分を含んだ旨味のある料理。
チーズなら・・・パルミジャーノ。チェダー。
飲み頃温度:15~18度。
<まろやかなミディアム~フルボディー>
4,000円(消費税別)
マグロの赤身の刺身、寒ブリの刺身など血合いを感じる魚の刺身との
相性も良し、ゴボウ等の根野菜の料理との相性も良し、冬のジビエ肉
との相性も問題なくOKです。