2015年12月2日水曜日

生カキにはシャブリと言うけれど

今日は非常に冷え込んでいます。ようやく冬らしさが増して来ました。
本来ならば、数週間も前にこの様な状態になっているのでしょうが...。
厳寒期の訪れが遅れる事を喜んではいられません。日本酒造りに
とっては大問題です。今までの暖かさは今季の造りにどんな影響を
与えてしまっているのでしょうか?気温が下がらず、造りに入れない
蔵がきっとあるはずです。何事も異常なく。これがベストです。
冬と言えば、代表的な食材はカキ。生で食しても、調理しても良し。
世界中で愛されている食材です。よく耳にする「生カキにはChablis
/シャブリ」。シャブリとは世界中で最も有名な辛口白ワインのひとつ
で、フランスの首都、パリの南東、直線距離で約160㎞に位置する
シャブリの街を中心に5,000ha程のエリアで栽培されたChardonnay
/シャルドネから造られています。



上の画像の中にシャブリの産地があります。シャブリには大きく分けると
2つのワインがあり、カキの殻の化石を含む土壌で栽培したシャルドネ
から造られるChablis/シャブリ、カキの殻の化石を含まない土壌で栽培
したシャルドネから造られるPetit Chablis/プティ・シャブリ(画像中では
クリーム色がかった黄色のエリア)になります。
更にシャブリには特級畑で栽培されたシャルドネから造られるChablis
Grand Cru/シャブリ・グラン・クリュ(赤いエリア)、1級畑で栽培された
シャルドネから造られるChablis Premier Cru/シャブリ・プルミエ・クリュ、
それ以外の栽培されたシャルドネから造られるChablis/シャブリの3種
があります。
白ワインの醸造はステンレス・スティール・タンクで果汁の発酵を行い、
熟成もそこで行う、発酵はステンレス・スティール・タンクで行い、熟成
は木樽で行う、発酵も熟成も木樽で行う、これら3つの方法があります。
生カキ、そして生の魚介に白ワインを合わせる場合、木樽を使用して
いないワインの方がベストで、果実味がリッチ過ぎず、シャープな酒質
ならパーフェクトです。


プティ・シャブリは大抵の場合、木樽を使った醸造熟成をしていません。
生カキにシャブリと言った時に指しているシャブリはプティ・シャブリとも
言えます。
しかし、Jean Collet 2013 Petit Chablis/ジャン・コレの2013年のプティ・
シャブリは例外です。天候に恵まれたとは言えない2013年でしたが、
自然現象で減った収穫量の影響でしょうか。果実味がプティ・シャブリ
とは思えない程、リッチです。このリッチさが生カキとの相性を悪くして
しまいます。


リッチな果実味、凝縮した味わいから来る粘性ある口当たりは、料理
にミルキーな要素を要求します。フライにしてカキのミルキーな旨味を
閉じ込めてあげる。チャウダーやシチューにして更にミルキーさを加え
ワインの味わいに近づけてあげる。
この様な楽しみ方をしてあげると、良い意味で型破りなこの2013年の
プティ・シャブリを余す所なく堪能できます。火入れしたカキ料理には
是非、この白ワインを!!


カキフライ、カキのチャウダー、カキのグラタン、カキのクリーム
スパゲッティと一緒に味わい尽くすのなら
*Jean Collet 2013 Petit Chablis
 ジャン・コレ2013プティ・シャブリ
飲み頃温度:11~14度。
<コクのある、やや辛口>
2,500円(消費税別)