前回、紹介しましたGrace Vineyard/怡園酒荘のスパークリングワイン
Angelina/アンジェリーナは、収穫年表示のない商品でした。それらの
他に格上の収穫年表示の商品が1種類あります。
こちらは2009年に収穫したChardonnay/シャルドネ種を原料に、瓶内
での炭酸ガスを捕捉する発酵をさせた後、その状態のまま36か月間
熟成させ、商品化されました。
瓶内での炭酸ガスを捕捉する為の発酵が終了すると、役目を終えた
酵母がオリとなって瓶底に沈みます。そのオリが瓶内のワインと接触
した状態にある事を専門用語でSur Lie/シュール・リー(上に、オリ。
つまり、オリの上にワインがある)と言います。
シュール・リーをするとオリに含まれる旨味成分がワインへと還元し、
ワインの香味に深みが出ます。スパークリングワインの全てがこの
状態を経て造られる訳ではなく、炭酸ガスを捕捉する発酵を瓶内で
行うスパークリングワインの全てとその他の製法の一部になります。
発泡していないワインを瓶に詰め、そこに酵母と発酵に必要な糖分
を加え、発酵により発生する炭酸ガスをワインに含有させ、発泡性
のワイン(スパークリングワイン)にします。
炭酸ガスを捕捉する発酵は2回目の発酵になりますので、この製法
を瓶内2次発酵と言い、代表的なワインはフランスのシャンパーニュ
地方で造られるChampagne/シャンパーニュ(英語ではシャンパン)
です。
収穫年表示のない3種類のアンジェリーナの品質も半端ありませんが
2009 Brut Reserve/ブリュット・レゼルヴの品質は収穫年表示がある
シャンパンの中に入れてブラインドでテイスティングしたなら、間違い
なく上位に、もしかするとトップにランクされるかもしれません。
よどみのないクリーンな外観。鮮やかなグリーンのトーンを感じる色調
に輝きを湛え、白い花や白い果肉の果実を思わせる華やかさ、清らか
でフレッシュな香り、味わえばジューシーでエレガント。身体に染み入る
様な優美さがあります。
美し過ぎる故に、料理との接点が狭く、アンジェリーナの折角の香味を
台無しにしない様、気を配らなければなりません。好きな事をしつつ、
ワインそのものを純粋に味わってあげるのもベターな選択でしょう。
ラベルに輝くAngelinaのiの点。香味もキラキラと輝く宝石の如く、美を
放っています。年末年始はこのアンジェリーナと共にゴージャスさを
楽しんでみて下さい。
*Angelina 2009 Brut Reserve/アンジェリーナ2009ブリュット・レゼルヴ
相性の良い料理:素材の持つ優しい甘味を生かした軽やかな味わい
の料理。
チーズなら・・・モッツァレッラ。
飲み頃温度:8~10度。
<軽く、まろやかな、やや辛口>
・アマダイの蒸し物や椀物
・春巻きを餡の旨味で
・海鮮シュウマイを餡の旨味で この様な料理と一緒に!!
醤油などの調味料の味わいを加えないで食す料理がベストです。