2015年8月15日土曜日

未知の世界への誘い、ロシア編

隣国でありながら、その広大な国土から正確に文化や気候風土などを
理解できていない国、ロシア。ロシアと言うと、思い浮かぶアルコール
飲料はVodka/ウォッカで、ワインはと言えば、多くの方がロシアでワイン
を造っているの?そう発言するでしょう。
既に述べました様にロシアは広大な国土を有する国家ですから、永久
凍土のエリアもあれば、日中に気温が40度越えするエリアもあり、一つ
の国に世界中の自然、気象が混在しているとさえ言えるでしょう。
勿論、ワイン用のブドウを栽培するのに適したエリアもあり、18世紀頃
から現在の東欧圏では評判が高かったですし、Кагор/カゴール
と言う甘口の赤ワインは教会のミサでは欠かせないワインとして丁重
な取扱いを受け、珍重されて来ました。


それではどこでワインが誕生しているのでしょうか?ワイン用ブドウの栽培
もワイン造りもほぼ全てが南西部の黒海付近に集中しています。上の画像
の赤い印、Краснодар/クラスナダール周辺が主産地です。
また、旧ソビエト連邦を構成していた現在のウクライナのクリミア半島、今、
ロシアになるのかウクライナに留まるのか揺れていますが、クナスナダール
の左方向のセバストポリなどがあるエリアも昔からワイン造りが盛んです。
東欧から誕生するワインに共通して言える事があります。それは白ロゼ赤
問わず、果実味が豊かで明確な事です。いずれの生産国も内陸にあり、
また比較的緯度高い位置にありますので、豊富な日射があり、昼間の気温
が高く、日没と共に気温が急激に下がります。そして、雨が冬季に集中する
傾向があり、ブドウ栽培期には乾燥し、カビ病などの発生の可能性が低減
します。完熟し、かつ酸味をシッカリと保った健全なブドウを収穫できます。
この様なブドウからワインを造る事から果実味豊かなワインが誕生するの
です。



ロシアでは昔から発泡していないワインを瓶詰し、糖分と酵母を加え、瓶内
で炭酸ガスを捕捉する発酵をさせ、発泡性ワイン(スパークリングワイン)
を造っていました。これを「Шампанское/シャンパンスカエ」(あの
Champagne/シャンパーニュと同じ造りをしている所から)と呼び、上流階級
でシャンパーニュと共に愛飲されていました。
今ではあまり呼ばなくなりましたが、そのシャンパンスカエの最高の造り手
のスパークリングワインが上の画像のワインです。1870年に創業のAbrau
Durso/アブラウ・ドゥルソが造っています。
黄色い花を思わせる華やかさ、黄色い果肉の果実を思わせる華やかさが
ある香り、果実味がリッチに広がる中に爽やかな酸味の心地良い主張が
広がり、フレッシュで上品、優しい酒質をしています。
豊かな果実味ゆえ、生の魚料理とは相性が良いとは言えませんが、素材
の持つ甘味旨味を感じる料理ととは抜群の相性の良さを見せてくれます。
「ロシアの至宝、アブラウ・ドゥルソ」が造る伝統的製法のスパークリング
ワインを味わいつつ未知のロシアワインの世界を思い描いてみて下さい。
*Abrau Durso Brut/アブラウ・ドゥルソ、ブリュット
相性の良い料理:素材の持つ優しい甘味を生かした軽やかな味付けの
           料理。
           チーズなら・・・モッツァレッラ。
飲み頃温度:8~10度。
<軽く、まろやかな、やや辛口>
2,500円(消費税別)


素材の甘味旨味とあんの甘味旨味が優しいく広がる「里芋のそぼろあん
かけ」


苦味の少ない、優しい味わいの「アマダイの塩焼き」

この様な料理や「パインの入った酢豚」などと一緒にこのスパークリング
ワインをお楽しみ頂くと良いでしょう。