2015年6月26日金曜日

ロゼは赤の手前

梅雨の真っ最中ですが、夏らしさを思わせる気温の高い日がやって来つつ
あります。気温の上昇と共に消費量が急上昇するロゼワイン。サマーワイン
と形容され、特にヨーロッパでは大人気です。
当店ではロゼワインをシッカリと認知してほしい。高品質のロゼワインを飲み
その素晴らしさを実感してほしい。ロゼワインを日頃の食生活の中で大活躍
させてほしい。そんな思いから日々、高品質でコストパフォーマンスが抜群、
飲めば感動のロゼワインの発掘に精を出しています。
ご存知の方が多いと思いますが、Champagne/シャンパーニュも含む発泡性
ワイン(Sparkling Wine/スパークリングワイン)を除いて、白ワインと赤ワイン
を混ぜてロゼワインにする事はほとんどの生産国で認められていません。


上の画像をご覧下さい。上から白ワイン、色の薄いロゼワイン、色の濃いロゼ
ワイン、赤ワインと並んでいます。これはブドウ(果皮の色が紫色や黒っぽい
色調の赤)を破砕した後、果皮、果肉、果汁が混ざり合った状態の時にどの様
な処理をするかで白ワインになるのか、ロゼワインになるのか、赤ワインになる
のかを示しています。
ワインの色はブドウの果皮の色素です。果汁に果皮の色素を移さなければ白、
移す量を増やせばロゼ、更に移せば赤になる訳です。多くの場合、白ワインは
果皮の色が黄色や緑色の白ブドウから造りますので、ロゼワインや赤ワインを
造る黒ブドウから白ワインを造る事は、スパークリングワインを除くとそう多くは
ありません。
果皮が十分に色素を備え、その色素から意図した赤ワインが造れる様になる
まで、ブドウは樹齢を重ねる必要があります。赤ワインを造る事を目的として
植樹した黒ブドウでも若木の時には赤ワインを造らずロゼワインを造ります。
また、樹齢を重ねた樹からの黒ブドウで赤ワインを造る時に、色合いの豊かな
赤ワインにする為、色素を果汁に移している最中に果汁の一部をそこから取り
除き、果汁に対し果皮(色素)の割合を増加させ、より多くの色素を移し、造る事
があります。
その取り除いた果汁は赤ワインよりも淡い色調で、ロゼ・カラーをしています。
この果汁を発酵させ、ロゼワインを造ります。この手法によるロゼワインは、
本来、かなり高額になる赤ワインの醸造過程からの副産物的存在ですので、
非常に高品質で、香味に高級感が漂っています。
ロゼワイン=低品質&低価格の構図がありますが、決して正しいとは言えず、
赤ワインの醸造過程からの派生で造られたロゼワインなら尚更です。この種
のロゼワインを専門用語でSaignee/セニェで造った言います。


先日、来日した生産者によるワインセミナーでセニェで造られた驚きの品質の
ロゼワインに出会いました。そのロゼワインはカリフォルニア州北部の沿岸部
にあるAnderson Valley/アンダーソン・ヴァレーにある4つの畑で栽培された
Pinot Noir/ピノ・ノワから造られています。
15,000円程の販売価格になる赤ワインに伴って出来上がったロゼワインです
から、香味の深み、品格、洗練さは半端なく、もし、このロゼワインを目を閉じ
味わったなら誰もが赤ワインと思う筈です。人間は視覚で情報の約80%を獲得
し、それを基に判断をしているそうです。全く情報のない状態から、正確な判断
を下す事がいかに難しいかを知る事になるでしょう。


こちらがそのロゼワインです。軽くオレンジ色の色調を感じる淡い色合いをし、
香りは熟度の高いブドウに由来する完熟した白桃や苺を思わせる香りがあり、
味わいはその果実のジューシーさを酸味とミネラル感が上品に支えています。
バランスの良さ、洗練された香味、巷に溢れているロゼワインとは品格が違い
ます。本来、15,000円程の赤ワインになる筈でしたから当然と言えば当然です
が...。



Goldeneye 2014 Anderson Valley Vin Gris of Pinot Noir
ゴールデンアイ2014アンダーソン・ヴァレー、ヴァン・グリ・オブ・ピノ・ノワ
上の画像のワインがそのロゼワインです。このワインはワイナリーの売店での
販売のみで未輸出なのですが、今回の来日セミナーに合わせ特別に日本に
輸入された数十本だけの超レアものです。
ロゼワインなんてと、ロゼワインを軽視している方に是非、味わって頂きたい
逸品です。この様な造り方で出来上がったロゼワインの素晴らしさを五感で
感じ取ってみて下さい。
相性の良い料理:酸味の効いた軽い味付けの料理。
チーズなら・・・シェーヴル(山羊乳)タイプ。
飲み頃温度:7度。
<軽く、爽やかな辛口>
4,500円(消費税別)


こちらが驚愕のロゼワインを派生させ、最終的に赤ワインになったものです。
収穫年が異なりますので、正確にはこちらのワインからも2012年の収穫年の
ヴァン・グリ・オブ・ピノ・ノワを派生させたと言うべきですが。
上の画像の赤ワイン、The Narrows Vineyard/ザ・ナロウズ・ヴィンヤードと
Confluence Vineyard/コンフルエンス・ヴィンヤードの2種類も同じく今回の為
に特別に輸入された超レアものです。ロゼよりも少量ですが在庫があります。
ゴールデンアイ特別輸入ワインのお買求めはお早目に!!